- 人と水
- 人の体重の60%以上が水
- 水がないと人は3〜8日しかもたない.
- 水分を2%失うと・・・・のどが渇いて痛みを感じる.
- 水分を5%失うと・・・自家中毒が始まり幻覚を見るようになる.
- 水分を12%失うと・・・死に至る.
- 呼吸で脂肪を燃やすことで,体内に水:代謝水が生じる.
- 成人で一日に350mLの水ができる.
- 一日に1.5t近い水(血液)が,腎臓を通り200Lほどが浄化される.日に1.5Lほどを尿として出す.
- 水質の指標あれこれ
- pH
- 水溶液の酸性,アルカリ性の程度を水素イオン濃度の逆数で表したもの.
- pH 0 〜 酸性 〜 7/中性 〜 アルカリ性 〜 14
- pHの値1の違いで,酸の強さは10倍異なる.
- ex) レモン/pH2.0〜3.0 ; 醤油/pH4.5〜4.9 ; 涙/pH8.2
- 一般に中性に近い水をおいしく感じる.
- 岩石の性質の違いによりpHが変わってくる.
- 電気伝導度
- 水溶液中の電流の流れやすさ.電気抵抗率の逆数でジーメンス[S]で表す.
- 水中の無機イオンの総量を表す尺度.
- ex) 雨水/10〜30μS/cm; 河川の上流域/50〜100μS/cm
- 汚れてくると電気伝導度は大きな値を示すようになる.
- 容存酸素
- 水中に溶けている分子状の酸素.
- 水質汚染を表す指標で,ppmで表す.ppmは100万分の1の微量濃度.1gの水に1mgの物質が含まれるとき1ppmとなる.
- 水中の容存酸素量は,温度と圧力によって変化する.
- 20℃,1気圧の水に8.84ppm
- 10℃,1気圧の水に10.92ppm溶ける.
- 綺麗な水には酸素がたくさん溶けているが,枯葉,生物の死骸などにより有機物が含まれると,容存酸素は有機物の分解に使われるので,その値は小さくなる.
- 一方で,藻類プランクトンや水生植物が繁茂している水の容存酸素量は大きい.
- 窒素
- 容存酸素量の多い水では,窒素は主に硝酸イオンの形態で存在.
- 容存酸素量の少なく有機物の多い水では,アンモニア態窒素や有機態窒素が多い.
- リン酸イオン
- 核酸,タンパク質など生体の重要な構成成分であるが,生物体の分解により水中にリン酸イオンとして溶け出している.
- 生物体の分解や,生活排水,肥料などによって増加する.
- 湖,池などの富栄養化の要因で,水の汚染度を示す指標の一つ.
- おいしい水の基準(1985,厚生省:おいしい水研究会)
- 水温: 20 ℃以下
- 蒸発残留物: 30 〜 200 mg/g
- 水を蒸発させた後に残った物質のことで,主にミネラル(無機物)の量を示す.ミネラルが多い水は渋味や苦みが強くなる.
- 硬度: 10 〜 100 mg/g
- 水中のカルシウムイオンとマグネシウムイオンの濃度の和を炭酸カルシウムの濃度に換算して表した量.硬度の硬い水はクセがあり,好みが分かれる.日本の水の多くは軟水.
- 遊離炭酸: 3 〜 30 mg/g
- 他の成分と結合しない形で水中に存在する炭酸.適量の二酸化炭素を含む水はさわやかな味がする.
- 臭気度: 3 以下
- いやな臭いがつくとまずく感じる.カビ臭,フェノール類,油脂類,鉄などの金属イオンなど.
- 過マンガン酸: 3 mg/g以下
- 主として有機物の量を表す.強力な酸化剤である過マンガン酸カリウムで水を処理したときの消費量を調べることにより,有機物量を調べる.有機物が多いと苦みが強くなる.
- 残留塩素: 0.4 mg/g以下
- ↓のような水の病原菌を殺菌消毒するために,用いられる塩素の残量.最近の混入を防ぐために蛇口まで塩素を残すことが義務づけられているが,時としてカルキ臭の原因となり嫌われる.
- 飲み水に忍び込む病原体
- 開発途上国のすべての病気の80%と死亡者の1/3は,汚染された水の使用が原因.
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- 細菌:コレラ <Wikipedia:コレラ>
- コレラ菌
- 1883年コッホ発見
- 激しい下痢を伴う致死率の高い病気
- アジア型とエルトール型があり,アジア型の方が症状が重い.
- 細菌:赤痢 <Wikipedia:赤痢>
- 赤痢菌
- 1898年志賀清発見
- 感染源ヒトの便
- 食品や水が汚染されたときに経口感染する.
- いきなり高熱が出て,20〜30時間後には30%の率で乳児の命を奪う.
- 細菌:腸チフス・パラチフス
- 細菌:病原性大腸菌
- 細菌:カンピロバクター
- 細菌:ウエルシュ菌
- 細菌:レジオネラ症
- 細菌:その他−野生動物などによるもの−
- 野ウサギなど−レストピラ症・野兎病・エルシニア症など
- 原虫:ランブル鞭毛虫症
- 原虫:クリプトスポリジウム症
- 原虫:マラリア
- 腸内性寄生虫
- ウイルス:A型肝炎ウイルス
- ウイルス:ノルウォークウイルス
- ウイルス:トラコーマ
- 水道水
- 水系感染症から人間を守ることは,水道水の安全性のまず第一の要件
- ろ過技術
- 緩速ろ過法:砂利や砂を敷き詰めたろ過層に,水をしみこませて汚れを除去するもので,圧力を掛けず自然の流れを利用する.流速は4〜5m/dayとゆっくり.処理のためのエネルギーや薬品の必要がないが,処理に時間がかかるため,ろ過池の面積が大きくなる.またメンテナンスに手間がかかる.
- 急速ろ過法:水中の汚れを,硫酸アルミニウムなどの薬品を加えて強制的に沈殿させ,その上澄みを急速ろ過池に通して綺麗にする.流速は100〜150m/dayと早く,ろ過池面積が緩速ろ過法の30分の1ですむ.ただし,細菌が除去しきれないので殺菌のため塩素処理などをするので味がやや落ちる.
- トリハロメタン騒動
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- 情報源
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