宮崎にいるので,宮崎の農業についての基本的な覚書を作っておきたい. 少しづつ充実させます・・・.
- 自然条件など
- 宮崎の面積:7,734km2
- 森林 76.29% 5,894km2
- 農用地 9.3% 717km2 (1994)
- 農地は火山性不良土壌で覆われ,生産性が低く,台風,集中豪雨などの自然災害を受けやすい上に,大消費地から遠隔地にあるなど,不利な条件が多い.
- 気候は温暖で,全国でもトップクラスの快晴日数,日照時間.
- 標高0m〜1,000mまで農地が広がり,恵まれた自然条件も多い.
- 宮崎県の県内総生産額3兆3,519億円(H11)のうち,農業は全体の4.4%,1,490億円を占める
- 県の総人口に対する農家人口の割合は14.2%(H12),就業人口に対する農業就業人口の割合は13.8%(H12)
- 総農家数55,200戸(H13),うち販売農家41,000戸(H13).
- 販売農家のうち,主業農家15,900戸(38.8%),準主業農家7,600戸(18.5%),副業的農家17,600戸(42.9%).
- 基幹的農業従事者の年齢別構成は,60歳以上の階層の割合が増加.
- 耕地面積:7万1,300ha(H13).そのうち田:3万8,700ha,畑3万2,500ha.
- 作付延べ面積80,400ha(H12)に対し
- 田:水稲22,700ha 飼肥料作物13,600ha 野菜4,230ha
- 畑:飼肥料作物18,000ha 野菜7,450ha
- これら3作目で,作付延べ面積の82.1%を占める.
- 耕地利用率は,112%(H12)で,全国第2位の高い利用率.
- 全国における宮崎農業の位置づけ
- 農家戸数:1.8%
- 専業農家:3.6%
- 農業就業人口:2.1%
- 農業粗生産額:3.2&
- 全国シェア
- ピーマン:全国1位 26.4%
- さといも:全国4位
- だいこん:全国3位
- きゅうり:全国4位
- ブロイラー:全国2位 15.7%
- 豚:全国2位
- 肉用牛:全国3位
- 宮崎の米
- 日本一早い超早場米のコシヒカリとヒノヒカリが中心.
- 粗生産額 286億円(H12),農業粗生産額の9.1%を占める.
- 水稲の作付面積は,21,900ha(H13).
- 早期水稲 :9,600ha(43.9%) そのうちコシヒカリが96.3%を占める
- 普通期水稲:12,300ha(56.1%) そのうちヒノヒカリが82.4%を占める
- 早期・普通期をあわせた10a当たりの収量は487kg(H13),生産量106,700トン(H13)
- 宮崎の野菜
- 冬期温暖多照な気候条件や標高差等を活用し,沿海平坦地域の施設野菜,高台畑地域の土物野菜,中山間地域の夏秋野菜を中心に,宣告有数の野菜産地となっている.
- 粗生産額 623億円(H12).
- 主要野菜の作付面積(H12).
- きゅうり:867ha
- ピーマン:423ha
- 食用かんしょ:1,176ha
- さといも:1,410ha
- 露地野菜を中心に,農家の高齢化,輸入の増加に伴う価格低迷等により,近年作付面積が減少傾向にある.
- その他の農産物
- 果樹:
- 極早生みかんを中心に,くり・ぶどう等の落葉果樹,完熟マンゴー,完熟きんかん,日向夏等の特産果樹など多種の品目を栽培.
- 果樹栽培面積4,060ha(H12).
- かんきつ類が54%の2,170ha.
- くりが1,040ha.
- 果樹生産量 46,500トン(H12)
- うんしゅうみかん 24,500トンと全体の約5割を占める
- またマンゴーや完熟きんかん,日向夏等の特産果樹に増加が見られる.
- 茶
- 粗生産額 約45億円(H12)で,農業粗生産額の約1.4%を占める.
- 栽培面積は1,370ha(H13)で,生産量3,323トン(荒茶ベース)
- 静岡・鹿児島・三重に次いで全国4位に位置する.
- 専用茶園は1,270haで,増加傾向にある.
- 葉たばこ
- 粗生産額 147億円(H12)と日本一の葉たばこ産地
- 収穫面積 2,563ha,生産量 6,906トン(H13).
- 一戸当たりの収穫面積は,1.77haと全国平均の1.07haを大きく上回り,規模拡大がすすんでいる.
- 畜産業
- 肉用牛「宮崎牛」ブランド
- 粗生産額 485億円(H12) 農業粗生産額の15.5%
- 飼養頭数 254,000頭(H13)で,全国3位.
- 飼養農家一戸当たりの飼養頭数は 19.0頭(H13)
- 乳用牛
- 粗生産額 121億円(H12) 農業粗生産額の3.9%
- 飼養頭数 22,000頭(H13)で,後継者不足・乳価低迷等により飼養戸数が減少傾向にある.
- 生乳生産量 128,685トン(H12)
- 豚
- 粗生産額 436億円(H12) 農業粗生産額の13.9%
- 飼養頭数 835,300頭(H13)と全国2位
- 出荷頭数 140万頭
- 系統豚「ハマユウ」:肉質の良く,銘柄食肉をめざす.
- ブロイラー
- 鹿児島・宮崎・岩手3県で全国の約5割を生産
- 粗生産額 419億円(H12) 農業粗生産額の13.4%
- 飼養羽数 1,665万羽(H13)で全国2位
- 採卵鶏
- 粗生産額 91億円(H12) 農業粗生産額の2.9%
- 飼養羽数 546万羽(H13)
- 農業的特徴
- 1月末 :育苗ハウス内の育種箱に播種
- 3月初旬:代掻き
- 3月上旬:県南地区 超早期水稲の移植開始
- ただし,寒の戻り時,葉先枯れや株の枯死がおきやすい.
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- 関連項目:
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- インターネット情報源
- 関連書籍
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- さまざまな気象要素の観測方法を細かく丁寧に解説した本.とくに微気象現象の観測を実施する際には手元に置いておきたい本.
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