- 渇水とは
- 近年の渇水の概況 (平成18年版 日本の水資源より)
近年の渇水の発生パターンには次の3つが考えられる. ●第1は,流域面積が小さく地形上の制約から表流水を貯める貯水池を設けることが困難であること,河川流量の変動が大きいこと等のため,しばらく降雨がないとたちまち河川水が枯渇してしまうケース.小豆島等の島嶼部や長崎県等の半島部で発生する渇水の例. ●第2は,水需要の増加に対して水資源開発施設の整備が追いつかず,水源の一部が豊水時以外には取水できない不安定取水であるため,平水年程度を下回った河川流量においても渇水が生じるケース.埼玉県の水道が1984年,1985年,1987年,1990年,1994年及び1995年から1996年にかけて経験した渇水がその例. ●第3は,長期間降雨に恵まれず,降水量が利水計画で見込んだ量より少なく,河川の流量が計画を下回って生じる渇水で,異常渇水とも呼ばれているケース.1978年及び1994年に福岡市の経験した渇水がその例. 過去の渇水には,自然的及び社会的条件によりこれら3つのパターンが重複している場合が多い.
- 渇水あれこれ 渇水 降雨のないため水の涸れること (広辞苑) 日照りが続いて水が欠乏すること (大辞林) 節水率日数 給水制限日数と給水制限率(完全断水の場合100%)をかけ,これを制限期間中累計したもの.たとえば30%の給水制限が10日続けば300%・日. - 日本における主な渇水 東京五輪渇水 1964年.東京都.多摩川.給水制限7.10〜10.1 84日間 長崎渇水 1967年.長崎市. 給水制限 9.25〜12.5 72日間 高松砂漠 1973年.高松市. 給水制限 7.13〜9.8 58日間 福岡渇水 1978年.福岡市.筑後川.給水制限 5.20〜翌3.24 287日間 首都圏渇水 1987年.東京都他.利根川・荒川.給水制限 6.16〜8.25 71日間 列島渇水 1994年.高松市・松山市・福岡市・佐世保市など - 渇水時の生活への影響例 蛇口をひねればいつでも使える状態から,容器を汲み置いて利用する 水洗便所のタンク内にレンガ,ビール瓶などを入れ,1回あたりのフラッシュ量を減らす 風呂の水,米のとぎ汁などの再利用 洗車,散水の回数制限,またはホースを使わずバケツで 風呂は湯舟に入らず外で洗って湯をかぶるだけ 風呂の水の2〜3度使い 風呂の利用禁止 洗車,散水のとりやめ 洗濯は手洗い,すすぎの回数を減らす 水洗便所は貯め置き水で流す 外食 カップ,皿類を紙製容器にし,割り箸などとともに使い捨て ジュース類,インスタント食品,缶詰,冷凍食品,ミネラルウォーターの購入 下着類,紙オムツ,ベビーフードの購入 少々遠くても交通費を掛けて銭湯へ 井戸のある知人宅での「もらい水」,洗濯,風呂の依存 節水メニュー(パン,玉ねぎ,ジャガイモなどを用いた料理)の採用 水道の給水時間,給水車からの給水を受ける時間には外出せずに家にいる 食事は給水開始時間前に終え,食器洗いを給水時間中に実施 水の出る地域への疎開 - 関連書籍や情報源 山口嘉之:水を訪れる 水利用と水資源開発の文化,中公新書 国土交通省 土地・水資源局水資源部編:平成18年版日本の水資源−渇水に強い地域づくりに向けて− [前画面に戻る]
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