- 湿原
- 日本の湿原は,ミズゴケが一面に繁茂している高層湿原と,ヨシやスゲなどが主に生えている低層湿原とがある.
- 日本の湿原は,東北地方から北海道にかけて多い.
- 高層湿原:
- 海抜高度1000mくらいの高原や山の鞍部に多い.
- 火山台地に多い.
- 低層湿原:.
- 平地の沼や川のほとりにあって,丈の高いヨシやスゲなどが密生している.寒冷地の北海道にある湿原の多くは,このタイプの湿原.
- 北海道や関東平野の沖積平野に多く見られる.
- 中層湿原:
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- 湿地
- 湿地は水文学的特性ではなく,植生によって定義される.
- 水系が未発達な場所に多く存在する.
- 最終氷期に厚い氷床に覆われた地域に多い.
- 泥炭地(ピートランド)
- 泥炭とは,植物遺体の堆積速度がその分解速度に勝る条件下で形成される植物遺体堆積層で,世界の全陸地149億haのおよそ6%を占め,低温過湿の土地や熱帯低地に多く分布する.
- 植物遺体は地下水面下に堆積し,そこでは酸素の供給が不足して還元状態が持続する.このとき好気性微生物の活動は抑制され,有機物の分解も抑制されることから,葉や茎など地表植生形態の特徴を遺体になった後も残している.
- 地下に泥炭の厚い層がある.層厚が40cm以上であれば,ほぼ全ての植物が確実に泥炭層に根を張るため,この条件を満たすとき『泥炭地』であるとされる.
- 純粋な泥炭は,完全な有機質で,砂粒子や粘度といった鉱物質を全く含まず,分解不完全な植物遺体だけからなる.
- 泥炭は冷涼な気候下でもっともよく発達するが,その速度はごくゆっくりしている.
- 泥炭地の深い部分は常に水を含むが,表面は夏の暑い時期には一時的に乾くことがある.
- フェン:低位泥炭
- 地下水の浸漏か,ゆっくり流れる地表水によって飽和され,鉱物質を多少なりと取り込んでいて,植物に栄養分を与えるもの.フェンの水はごくゆっくりとだが移動している.
- スゲやヨシなどの草に覆われている.生育期には一定の高さにまで伸びる.こういった植物は鉱物室の栄養分と,中性あるいはややアルカリ性の土壌を必要とする.
- ボッグ:高位泥炭
- 水の大部分が雨水で,よどんでいて,酸性で,栄養分をほとんど含まない.
- 不利な条件のもとで生育できるよう適応した特殊な植物が多い.ピートモス,ミズゴケやモウセンゴケなど.
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- 関連情報など
- 書籍等の情報
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