●書きかたをチェックするときの注意点などをメモしてます.くわしくは,情報源・関連先をご覧下さい.
●言いたいことは何なのか
→書き始める前に書こうとする内容を十分に整理し,何を書くべきかをはっきりさせておく
●道標をつける
●二つの名詞の間の助詞「の」は省いた方が前後の名詞の結びつきは強まる.
例 ・ 都市気候の変化
・ 都市の気候変化
●列挙された語の結びつきは,「・」を用いた場合と「と」を用いた場合が同じように強く,「,」を用いた場合はそれらより弱い.
例 × 文字の認識・音声の認識
○ 文字認識・音声認識
●結合の強さは
F(“単純結合”)>F(・)=F(と)>F(,)
さらに,上の「と」を「や」,「および」,「または」,「あるいは」,「の」,「による」などに置きかえても,この不等式は成り立つ.
例 × 二つの都市間をつなぐ道路
○ 二つの都市の間をつなぐ道路
○ 二つの都市をつなぐ道路
・・・・不用意に「の」を省いて分の型と意味の型がずれてしまわないように注意する!
●仮定の及ぶ範囲
例:
もし[A]ならば,[B].[C].[D].・・・・・仮定[A]の及ぶ範囲は[B]だけ.
[A]と仮定しよう.[B].[C].[D].・・・・仮定[A]は,[B],[C],[D],そしてさらに,もっと後ろにまで及ぶ.
分の型が仮定の及ぶ範囲を定めるため,意味の上でもその範囲に合わせて議論がなされなければならない.
例:以下では・・・.本論文を通して・・・.この章では・・・.以下では特に断らない限り・・・・.
こういった仮定は読者は忘れがちなので,節目節目で議論の寄って立つ前提を再確認することは重要.
●記号の使い方などの約束を提示するとき
[A]とおくと[B].[C].[D].
[A]とすると[B].[C].[D].
・・・[A]の約束の及ぶ範囲は[B]だけである.
例 × この2次方程式の解をαとβとすると,解と係数の関係からα+β=aである.
またαβ=bでもある.
○ この2次方程式の解をαとβとすると,解と係数の関係からα+β=a,αβ=bである.
○ この2次方程式の解をαとβとおく.すると,解と係数の関係からα+β=a,αβ=bである.
したがってα−βの値は・・・.
●意味と型の不一致がないか注意深く確認する.
むやみに一つの文のなかに情報を入れないようにする.
●文章は一方通行であることを強く認識する.
・読者がどこまで読み進んだ段階でもそこまでは分かったと言えるように議論を積み上げる.
・ある場所に書いてあることが,もう少し先まで読むとはじめて分かるという書き方をしてはならない
●語順
- 長い修飾語ほど先に.
- ○ 京都大学農学部水環境工学分野の熱心な生徒
- × 熱心な京都大学農学部水環境工学分野の生徒
- 句を先に.
- × 京都大学農学部水環境工学分野の大阪から通っている生徒
- ○ 大阪から通っている京都大学農学部水環境工学分野の生徒
●テンと構造
- 長い修飾語が二つ以上あるときその境界にテンをうつ.
- 例 京都大学農学部水環境工学分野の,大阪から通っている生徒
- 語順が逆になったときテンをうつ.
- 文頭の道標(「したがって」,「しかし」など)のあとにテンをうつ.
- 声を出して読んだとき,息継ぎをしたくなるところにテンをうつ.
-
●文章の中の各文は,古い情報を引き継ぐ部分と新しい情報を付け加える部分からなるのを原則とする.
この原則どおり,古い情報の引き継ぎ部分は省略せず,しかも文のはじめのほうにももってきたほうがわかりやすい文章になる.
●ローマン体とイタリック体
- 新たに定義して用いる変数はイタリック体で表す.
- それぞれの専門分野で共通に用いることがきまっている関数や定数の記号はローマン体で表す.
- ローマン体 例:
- logx, lnx, expx, sinx, cosx, limf(x)
- 微分・積分のd df
●数式も含めて文法にあった文を.
●漢字の使い方は統一されているか.
●パラグラフ構造が適切に作られているか.
●区切り記号の改行原則は守られているか.
●左作用符号は正しいか.
●全角と半角の切り換えは正しいか.
●記号の混同はないか.
●言葉の呼応は適切か.
●文末の調子は統一されているか.
●列挙のふぞろいはないか.
●否定の範囲は明確か.
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