目的
1.森林のもつ水保全機能について,琵琶湖という閉鎖水域の中で,どのような影響をもっているか具体的な定量方法を確立する.
2.降水量と琵琶湖の水位との関係を時系列的にシミュレーションする.
3.琵琶湖の水需要に対応できる森林の最小賦存量を推定する.
個別課題
森林流域に降った雨水は,蒸発散により水蒸気として流域から失われる.我が国の場合,降水量の約半分が蒸発散量となることから,地域の水循環構造に大きな影響をもたらすものとかんがえられる.とくに植生により蒸発散量は大きく異なるため,琵琶湖周辺地域のおける蒸発散量およびその分布特性を把握することは,琵琶湖流域の水収支構造を定量的に明らかにするための重要な情報を提供するものと考えられる.
よって,今後琵琶湖の流域環境を健全に管理していくためにも,流域の水収支構造を明らかにすることは早急な課題である.
対象地域
- 観測地 :滋賀県野洲町大篠原
- 光善寺川を通って日野川と合流し,琵琶湖へと注ぐ渓流河川.
- 流域面積:13.6ha
- 標 高 :約145m〜280m
- 植 生 :上流部:ヒノキ.下流部:アカマツ等
- 地 形 :湖東山地・鏡山山地に属する小起伏山地.
- 地 質 :花崗岩
- 土 壌 :乾性褐色森林土壌で,A層が貧弱で土壌中の腐植含量も乏しい.
- 年降水量:1,518mm(近江八幡)
- 観測装置:
- 水位センサー,雨量計,温湿度計,風速計,風向風速計,地中熱流板,日射計,放射収支計,アルベドメーター,放射温度計
[前画面に戻る]