世界にはアダム一人だけ

そして夕があり、朝があった... [創世記1:5]

最初、世界にはアダム一人だけであった。
アダムは木々の間を散歩した、そして木の果実を食べた、川から水を飲んだ、そして開かれた荒野を走った。
アダムは一日中、世界の中を歩き廻った、そしてそれを知ることを学んだ:
見よ、鷹が絶壁の上に生き、食べ物を狩りして巣に運んでゆく。
見よ、雌牛が草を食べている、乳房はミルクで満ちていて、子牛が乳房からミルクを飲んでいる。
見よ、全ての動物の王であるライオンが現れる - そして全ての動物たちはライオンの前で静かになり、急いで隠れてゆく。

アダムが生きた最初の日に、アダムは最初に太陽を見た。
見よ、その日の間、太陽は空に登って、もっと暑くなり、地上の全てに影響を与える。そして夕方に向って太陽は西に下ってゆき、そして海の中に落ちる。
太陽が沈むことで、暗闇が地上をおおい始めた。
最初、アダムは太陽が沈む暗闇に驚き、そして恐れた - おそらく、この光りは再び登ることがないであろうと。
なぜ、暗くなるのか?
アダムは心の中で考えた、おそらくこの世界は終わるであろう。
おそらくは、再び渾沌となるのではあるまいか?
おそらくは、全てのことは私が行った悪いことが原因ではないだろうか?
私は何をしようか、そして今私が欲してはいけないものとは?
そしてまた私は動物たちの声を聞くことがないであろうか?
アダムは、光が消えたことをたいへん残念に思い、一晩中座って泣いた。

朝になる前に、アダムは顔を上げた、そして赤い地平線を見た、そして後に空が輝き始めた。
アダムはそこで立ち、喜びで、その光の方に走り始めた。
多くの時間が経たないうちに、アダムは太陽がまた戻って輝くことを見た。
再び地上に光があり、再び太陽が暖かくなり、動物たちが目をさまして声が聞こえるようになる。
アダムは言った:私が悪いことをしたせいではなくて、太陽が沈んだことを今や私は知った。
私には罪はない、これは日が暮れるという世界の習わしなのだ。
アダムは主に膝まずき、そして新しい日に関し、主に感謝した。


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