「そしてテラは70才になって、アブラム、ナホル、ハランが生まれた。」 [創世記11:26]ウルの王国で、テラの家族に、人の子が生まれた。
この夜は雨が激しく、空は重い雲で覆われていた。
そして見よ、アブラムが生まれた時間に、雲の背後から大きな星が現れた。そしてその星は、まわりの暗闇の全ての上に光りを広げていった。
人々は、とても不思議な星を見つめた。
しばらく見つめていると、見よ、その輝く星は近くの大きな4つの星を飲み込んでいる。
全ての人々は、彼らの目の前に起こったその恐ろしい光景に恐れた。そしてニムロデ王にこれを知らせようと急いだ。ニクロデはウル王国の王様で、彼は強くそして全ての隣国で有名な英雄であり、みなが彼の前で恐れていた。
彼らが空で見た不思議な光景を王に知らせに来た時に、人々はニムロデが悲しみそして怒っているのを見た。
ニムロデは、この夜ずっと眠れずに、悪い夢を見た。
彼は夢の中で、近い未来に彼より強く勇敢な新しい王が立って、王国を取るであろうことを見た。
ニムロデが、空に現われた星が他の星を飲み込んだ話を聞いたときに、この王国の中にある家の一つで幼な子、将来に彼から新しい民が出るであろう、そんな幼な子が生まれたことを知った。
ニムロデは彼の部下に、全ての家を探して、そこで今 生まれた幼な子を彼のところに連れて来るように命じた。アブラムの両親は、ニムロデの部下が彼らの幼な子を探していることを聞いた、そして彼が彼らの小さな息子を捕らえるであろうとたいへんに恐れた。
アブラムの母は、彼女の息子を取って家から逃れて、山にあるほら穴の中に姿を隠した。
3年間、その母と息子はほら穴の中に隠れた。
これら全ての年で、主は小さなアブラムを保護した、そして暗闇のほら穴の中で食料と太陽の光が欠乏しないように世話をした。全てが驚いた:洪水の世代からアブラムまで10世代が過ぎた、しかし主は誰一人として世話をしなかった、そして今や主はなぜアブラムをそれほど世話するのであろうか?
彼らに賢者の中の一人が、たとえ話で答えた:「王様にとって、昔、とても価値の有る石が無くなった。
王は全ての部下を集めて、その価値の有る石を探すように命じた。
部下たちは大きな砂濾し器をたくさん準備した、そして砂の山を集め、砂を濾し始めた。
一つの砂の山から、価値の有る石が見つからないと、次ぎの山へと移った。
このように国中の全ての砂を濾して、最後に、多くの苦労の後に、価値の有る石を見つけた。主はそのように行った:主は、全ての世代から世代で、主をおそれる正直な人間で、彼からイスラエルの国を起こすことが出来る人間を探していたが、見つけることができなかった。
アブラムが生まれた時、主は、ふさわしい人を見つけた - 価値の有る石を見つけた - ことを知った。
アブラムはイスラエルの国の祖父となるであろう。」