MMD study

Part 7. MMD Know How - 2 wallの実現

Last update 2017/7/8

Linedanceの特徴

    Linedanceは、面(wall)を変えながら同じダンスを踊ることが最大の特徴です。 例えば、2 wall ダンスなら、最初に正面(12:00)で踊り、次は新しい面(wall)として裏面(6:00)で踊る。そしてその繰り返し。

MMDでの実現方法

 (1)正当な方法
    まず基本となる正面でのダンスを作成する。 次にツールを使って、ダンスの向きを自動的に変換する。 MMDにはいろんなツールがあって、このような機能はきっと存在すると思いますが、 今の時点では不勉強のため、エデイターとかのツールには全く知識不足の現状です。
 (2)力仕事による方法
    正面ダンスの作成後に、同じ手仕事で裏面ダンスを作ること。 これは単純作業なのでやれば出来るのですが、別コーナーで説明した「回転補正」を頻繁に必要とし入力ミスを多発します。 4 wallダンスではなおさら混乱。 しかも後になってダンス動作の手直しなどは不可能に近い。
 (3)苦肉の策
    カメラワークでごまかせないかな?
    と考えた末にあみだしたのが「瞬間移動(スワップ)」を使う方法です。



2 wall / 4 wallダンス実現の第一歩

    4 wallダンスの例で説明します。

本来は、このように向きを変えて踊るのですが、 いつも正面を向いたまま踊りつづけても、カメラワークで視線を切り替えればよさそうです。
実現手順を考えてみました。
    手順1:まず正面のダンスを作成。
    手順2:正面ダンスをコピーして、必要な wall 分だけ時間軸で並べる。
    手順3:各々のwallダンスの終了/開始時に、カメラを切り替える。
これだけでOKなの? 
そうは簡単には行かない. . . それが世の常です。




続 Linedanceの特徴

    Linedanceは、wallを変えるだけではなく、みんなで一緒に踊るのが特徴です。 たくさんの人がラインをつくって同じダンスを一緒に踊る、阿波踊りなんかもそうですね。
    例えば、2 wallダンスを3人で踊ると、正しい向きはこうです。



ここで問題が発生。
例えば、上記 12:00 のダンサーを、ステージの
裏面カメラから見た場合は、右図となります。
上記 6:00 のダンサーと比較して見て下さい。
左右のダンサーの位置が入れ替わっている!

このことを理解した上で、対策を考えてみます。




2 wallダンスでの対策



wallの切り替え時に、立ち位置を移動することにします。
    左のダンサー:1st wall 終了、2nd wall 開始(6:00 の時点)に、右側に移動する。
    右のダンサー:同時点で、左側に移動する。
    センターのダンサー:移動は不要。
これを繰り返せばよさそうです。



4 wallダンスでの対策

 4 wallダンスを3人で踊ると、正しい向きはこうです。

 これを実現するには、2 wall ダンスに比べてかなりやっかいです。

 次の図を見て下さい。これはステージの上方から見下ろした図です。 矢印はカメラの位置で、その方向から見ると 4 wallダンスの正しい向きと一致しているでしょう!


wallの切り替え時に、立ち位置を移動しますが、2 wallダンスよりも複雑な移動。
    左のダンサー:
      3:00 の時点で、移動位置(x, y, z) = (右, ,下)
      6:00 の時点で(右, ,上)、9:00 で(左, ,上)、12:00 で(左, ,下)、と移動。
    右のダンサー:
      3:00 の時点で、移動位置(x, y, z) = (左, ,上)
      6:00 の時点で(左, ,下)、9:00 で(右, ,下)、12:00 で(右, ,上)、と移動。
    センターのダンサー:移動は不要。
説明はだいたい以上です。
実現方法をまとめて整理しす。




2 wall / 4 wallダンスの実現方法

「忍法スワップの術」


手順1:正面で 1 wallダンス(基本ダンス)を作成。
手順2:基本ダンスをコピーして、必要な wall 分だけ時間軸で並べる。
    これはダンサーの数だけ作ります。例えば
    - センターのダンサー:単純に並べるだけ。
    - 左のダンサー:wall 毎に「左右/前後」の瞬間移動して並べる。
    - 右のダンサー:同上。
手順3:各ダンスの終了/開始時に、カメラを切り替える。
手順4:上と同時に、カメラの焦点を移動する。


    手順1と手順2は、ダンサーの動作に関する作成技術。 手順3と手順4は、カメラワ−クに関する操作技術。 なお、手順4については以下に説明を加えます。

    一般に、基本ダンス(正面 1 wallダンス)を作成すると、開始の位置と終わりの位置がずれているのが普通です。 前の wallの終点(x, y, z) と、次の wallの始点(x, y, z) とを一致させる必要があるわけで、そのためカメラを移動して微調整しなければならないのです。




coffee break

    「忍法スワップの術」納得されていただけましたか?
    この方法の実現は簡単ですが欠点もあります。 最大の欠点は、ダンサーの髪の毛や衣装が乱れてしまうことですね。 これは瞬間移動(スワップ)が原因で、MMDがもつ「物理演算」機能が過敏に働くためです。 他にも小さな欠点、ステージの照明の関係で、方向によっては顔や衣服が薄暗くなったり、地面の影の方向が突然変化したりもします。

    あくまでもこの術は仮手段です。近い将来には正当な方法、エデイターとかのツールを習得して、自動変換ツールを使って、これまでの作成ダンスも作り直さなければと。。。


    将来展望ですが、 ステップシートを入力したら自動/反自動でアニメ動画が出て来る。 そんなラインダンスアニメの自動販売機。 さらにAIが発達し広く普及する時代には、有名なダンスコレオの作品を参考にして、新規でユニークなラインダンスを創作する自動コレオマシーンも夢ではない?



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