Step by Step

2021年6月14日 


お勉強「DNAの基本」(高校レベル)

DNAの基本

基本的なことをラフに理解するために、高校生レベルの生物の本を使ってみます。

- DNAと遺伝子は違うの?
- タンパク質って何?
- アミノ酸って何?

- DNAの構造
- など

DNAと遺伝子は違うの?

DNAは長いひも状の化学物質で、コンパクトに納めた形を染色体という。 DNAの上には遺伝子が並んでいます。
イメージで現わすと、

タンパク質って何?

遺伝子はタンパク質の設計図なんですが、DNAは一旦 RNAにコピーされて、 RNAを翻訳するとタンパク質がつくられます。

DNAからRNAへのコピーを転写という


上図は、DNAポリメラーゼというものが、DNAからRNAに遺伝子情報をコピーしているイメージ。

RNAからタンパク質の作成を翻訳という


上図は、リボゾームというものが、RNA上の遺伝子情報を読んで、アミノ酸を連結させてタンパク質を合成するイメージ

なお、RNAには幾つもの種類があります。上図にあるのは
 m RNA(メッセンジャーRNA)
 r RNA(リボゾームRNA)
 t RNA(トランスファーRNA)
 など
参考:ファイザー社のコロナワクチンは、コロナウィルス対応の mRNAを人工的に作って、ワクチンに利用しています。

アミノ酸って何?

タンパク質とは、アミノ酸がひものように繋がったものです。 アミノ酸とは化学物質で、遺伝子の翻訳には「20種類のアミノ酸」が使われます。

つまり、タンパク質は、アミノ酸という化学部品を寄せ集めて、一本のひものようにつなげてある長い高分子の化学物質です。 どのアミノ酸をどんな順序で並べるか、それでタンパク質が定義されてくるのです。


DNAの構造

4つの塩基(A, T, G, C)

遺伝子情報は4つの塩基(アデニン、チミン、グアニン、シトシン)で暗号化されています。

上図は、DNAの鎖(ヌクレオチド鎖)が二本が向き合って結合しているイメージで、 化学的には水素結合しています。
下図で見るように、A と T は 2箇所で結合し、 G と C は 3箇所で結合しています。

遺伝子翻訳の単位「コドン」

コドンとは、4種類の塩基を3つ並べた暗号のことです。
例えば、下図では { G - A - G } というコドンで、これは暗号表でみるとグルタミンというアミノ酸を表しています。




上図は、「コドン表」と呼ばれ暗号表で、どんな生物でもリボゾーム (r RNA) がこの暗号表に従って翻訳しているのです。


参考 タンパク質の一例

「シャペロン」

タンパク質はアミノ酸がつながった1本のひも状ですが、実際には立体構造しています。 出来上がったタンパク質を折り畳む工程があって、「シャペロン」と呼ばれる化学物質(タンパク質) があって、複数のシャペロンが協力してタンパク質を上手に折り畳んで立体構造にしています。


コメント

「コドン表」は人間が勝手に作成したのではなくて、地球上の全ての生物に共通のルールなんです。 人間の細胞でも、動物でも、植物でも、微生物でも、細菌でも、さらにウイルスでも全く同じルールなんですね!

だから、人間が必要とするタンパク質を大腸菌に製造させることも可能。 ウイルスが生物に感染して、その生物の細胞の中で、自分のDNAを翻訳させて増殖ができるのです。

アミノ酸は100種類以上ありますが、コドン表では20種類しか使っていません。 この20種類のアミノ酸の組み合わせで無数のタンパク質が作られ、数万以上のタンパク質が解明されています。 コドン表にないアミノ酸を使って、人工的に、新種のタンパク質がつくれるのか、知りたいところです。



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