耳コピー楽勝!

 
  • まえがき
  • タイムコンプレッション
  • 準備するものは
  • 使ってみる
  • サンプル♪で体験を
  • 耳コピーの実証例
  • 知識 MP3について
  • 付録 古いレコードやテープありますか?
  • coffee break

  • まえがき

    耳コピー♪とは、、、まず広辞苑で調べてみました。

    というわけで、もちろんのこと「耳コピー」という単語は辞書には載っていません。 (※「耳をおおって鈴を盗む」とは、「悪いことを隠そうとしても隠しきれないたとえ」知ってました?) さて、耳コピーという言葉を耳にしたのは、確か、だいぶ前に国府弘子さんのJazzライブだったかなと思います。おそらく音楽界の専門用語あるいはJazz仲間の業界用語なのでしょう。

    私の理解では、英語の単語「dictation」が「耳コピー」の意味に近いと思います。

    すなわち、「耳コピー」とは、自分の耳で音楽を聴いて楽譜を作成すること。 音楽のソースは、ライブの音楽でも、テレビやラジオからの音楽でも、CDやレコードの音楽でも、 ビデオやテープの音楽でも、あるいはパソコンからの音楽でも何でもかまわないと思います。

    さてさて、「耳コピー」というのは一般人にとって忍耐を必要とする難しい作業だと思います。 ところが、つい最近、誰でも楽に簡単に「耳コピー」を行う方法があることを知りました。 今回この BeBop-Studey コーナーでその方法を、ご紹介しようということです。 Jazz音楽の勉強をするという主旨からは少し外れた話題で、マニアックな説明になりすが、耳よりな話でっせ!


    タイムコンプレッション

    国府弘子のJazzピアノCDからアドリブ演奏のところを耳コピーで譜面を作りたい、でも演奏が速くて聞き取れないなぁ ...
    あのフルート演奏(赤木りえ / 中川昌三)カッコいいけど、速くて...
    チェットアトキンスのギター演奏をコピーしたいけど、...

    楽器が好きな「あなた」には、こう言った経験がいつもあると思います。 普通こんな場合は、CDやMDあるいはテープ、レコードとかの回転数を落して耳コピーするでしょう。 確かに演奏は遅くなるのですが、音程まで下がってしまうという欠点がいつもついてきます。

    パソコンが世の中に普及している現在、この難問をパソコンのソフトウェアが解決してくれます。 後述しますが、音の波形を加工する「タイムコンプレッション機能」というのがあって、音楽の演奏速度を自由に変えることができ、なおかつ音楽は元の音程と変わらないというのが凄いのです!これで誰でも耳コピー楽勝!


    準備するものは

    これだけのものを用意する必要があります。

    1. パソコン
      windowsパソコン、あるいはMacintoshパソコンで、
      音楽CDの再生ができる機種。できれば音楽CDの読み書きできる機種がいいですね。
    2. プログラム
      「Sound it!」というプログラム
      入手方法は次の2つを選択できます。

      選択(1)プログラム「Sound it!」を購入する...約7千円
      win 製品 Sound it! 3.0 for Windows
      http://shop.vector.co.jp/service/servlet/Catalogue.Detail.Top?ITEM_NO=IJ70692020
      mac 製品 Sound it! 3.0 for Macintosh
      http://shop.vector.co.jp/service/list/category/mac/art/music/
      選択(2) USBサウンドプロセッサを購入する...約1万円
      これには、プログラム「Sound it!」が添付されています。
      win/mac 製品 ローランド社 UA-1X USB Audio Interface
      http://www.roland.co.jp/products/dtm/UA-1X.html

    参考ですが、私の場合は選択(2)UA-1X を購入して iMACパソコンで使用しています。


    使ってみる

    プログラム「Sound it!」を入手したら、説明書を読んでパソコンにインストールして下さい。
    インストールが済んだら、あとの使いかたは簡単です。以下は iMACパソコンで使った場合で説明します。

    1. プログラム「Sound it!」のアイコンをクリックする。
      soundit!3.0

    2. プログラム「Sound it!」で、音楽ファイルを開く。
      入力する音楽ファイルの形式は、「mp3形式」が一般的です。
      開いた音楽ファイルは波形で表示されます。

    3. マウスで、波形の全体(あるいは一部)を選択する。
      選択されて黒く表示された波形の部分にいろいろと加工することができます。

    4. プログラム「Sound it!」のメニューから「タイムコンプレッション機能」を選択する。

    5. 「タイムコンプレッション機能」を確認する。

      このパネルには幾つものボタンやつまみがありますが、恐れる必要はありません。 音楽の時間を長くしたい分量を割合で指定するだけです。

      ここで、TESTボタンを押すと、110%の効果の音楽をこの場で聞くことができます。 ON/OFFボタンを操作すると、効果の音楽と元の音楽とを切り替えて聞き比べが可能です。 110%の効果では不満の場合には、メニューボタンで割合を変えて、自分で聞いて確認して下さい。 なお、その他のボタンはさわらない方が無難ですね。

    6. 「タイムコンプレッション機能」を確定して、加工する。
      上記のパネルを閉じて、下記のパネルのOKボタンを押します。

    7. 以上で主な作業は終了。あとは加工の終わった音楽ファイルを保存すればよい。
      もとの音楽ファイルに対して、110%だけ時間を長くした音楽ファイルができたわけです。


    サンプル♪で体験を

    短い曲のサンプルを用意しました。 プログラム「Sound it!」のタイムコンプレッション機能で、このサンプル♪を入力し加工して、110%、150%の音楽ファイルを作成してあります。では、その効果を聴き比べてみて下さい。 (MP3形式は、ファイルサイズが大きいのでご注意)


    曲名:Maple Leaf Rag
    演奏:友人のKさん
    サンプル♪
    MP3形式 演奏時間19秒 ファイルサイズ456kbyte
    サンプル♪110%
    MP3形式 演奏時間21秒 ファイルサイズ500kbyte
    サンプル♪150%
    MP3形式 演奏時間29秒 ファイルサイズ684kbyte

    補足:このサンプル♪のオリジナルは、友人Kさんがピアノ・ソロ演奏した時('85)のカセットテープがあって、そのテープをパソコンで処理してMP3形式に変換し、その曲の一部分(19秒)だけを抜き出したものを使っています。友人Kさん、このピアノタッチは、ラベック姉妹のピアノ・デュオを意識してました。

     どうです、タイムコンプレッション機能を実感できましたか、速度を変えても音程は変わらない!  
     耳コピーは楽になると思いませんか?

    このようにパソコンでMP3形式の音楽ファイルを再生すれば、その場で耳コピーができますが、 ピアノなど楽器がある部屋で耳コピーしたいときは、パソコンを持ち運びするのは不便かもしれません、ノートパソコンならいいんですが...。 そんな場合は、パソコンで音楽CDを作って、CDを持ち歩きする手があります ... 後述。


    耳コピーの実証例

    国府弘子「Luck In The Rain」のピアノ・アドリブを、この奥の手を使って耳コピーしてみました。 実際に使ったのは、タイムコンプレッション機能の110%、120%あたりで耳コピーすると聴き易かったかなと思います。これは演奏の状況によっても違いますが、あまり%を深くすると音がこもってしまい、かえって聴き辛いという実感があります。

    2004年6月のレッスン曲「Luck In The Rain」で、耳コピーしたピアノ・アドリブ譜面を紹介しています。
    こちらのコーナーご覧下さい。 ピアノを弾こうよ!


    知識 MP3について

    一般的な話ですが、音楽データにはアナログデータとデジタルデータがあり、 さらにデジタルデータは無圧縮のファイル形式と、圧縮したファイル形式に分れます。 大雑把な関係はこのようになっています。

    WAVEファイルは無圧縮の音楽ファイルですが、アナログ音楽を忠実にデジタルデータに変換してあるので、データ量は多くなります。おおよそ1曲で30〜50MB程度です。 一方、MP3 (MPEG1 Audio Layer3) で圧縮した音楽ファイルは、10分の1程度に圧縮されてデータ量は小さくなります。おおよそ1曲で3〜5MB程度。

    ところで、音楽CDの読み書きできるパソコンの機種では、WAVEからMP3への変換およびその逆の変換機能を有しています。 すなわち、音楽CDを読み込む時に、自動的にWAVEをMP3に変換してからパソコンに保存し、そして音楽CDを作成する時には、MP3をWAVEに変換してから音楽CDに書き込む、というのが一般的です。

    話が長くなりましたが、プログラム「Sound it!」のタイムコンプレッション機能で加工して作ったMP3ファイルは、音楽CDにも書き込めるということ、.... 分かっていただけましたか。

    ご注意 ただし、市販のCDから音楽ファイルをコピーすることや、タイムコンプレッション機能で加工することは、 趣味の範囲を超えると原則的には著作権にふれる違法なものですから、 そんな音楽CDは耳コピーが終わり不要になったらすぐ廃棄するようにしましょう。


    付録 古いレコードやテープありますか?

    え〜〜い♪ 古い〜レコードやテープおありでしょうか〜♪
    新し〜いテッシュと交換させていただきま〜す♪

    納戸や物置きなどに、昔にコレクションしていたレコード盤や、家族の声などが入っている貴重なカセットテープとか、いわゆるアナログ世代での宝物が残っているのではないでしょうか? こういったアナログデータは、デジタルデータつまり音楽CDに変換して保存しておくことが出来ますよ。

    準備するものは

    1. パソコン
      windowsパソコン、あるいはMacintoshパソコンで、
      音楽CDの読み書きできる機種。
    2. プログラム
      「Sound it!」というプログラム
    3. USBサウンドプロセッサ
      例えば、製品 ローランド社 UA-1X USB Audio Interface
    4. アナログ音楽の再生装置
      レコードプレーヤ、カセットデッキ
    ここで、USBサウンドプロセッサ、というのは アナログデータをデジタルデータに変換する機能(A/D変換)と、その逆変換をする機能(A/D変換)をもったパソコンの周辺装置です。 なお、製品UA-1Xを購入すると、プログラム「Sound it!」が添付されてくるのでお得です。

    あと概略ですが、

    市販のレコードなどをコピーしてCDを作成することは、趣味の範囲を超えると原則的には著作権にふれる違法なものですから、ご注意下さい。


    coffee break

    タイムコンプレッション機能を理解していただけたと思います。
    これいろいろな応用が可能です、例えば
    1. 耳コピー
    2. 演奏のスピードアップ ... 楽器が好きな人、自分(たち)で演奏した音楽をテープ録音して、これをタイムコンプレッションで高速に加工すれば、すばらしい上級者の演奏かと思えてくる。演奏のごまかしですね。
    3. ダンスの練習 ... Jazzダンスとか、ラインダンス(C/Wダンス)の好きな人は、いつも新しいダンスに挑戦している。速いダンス音楽では、タイムコンプレッションで110%にして練習すると、 ダンスのステップ習得が楽!
    4. など



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