ここでは独断に満ちた意見で私のおすすめ作品を紹介しています。

綿の国星
あたり前すぎておもしろくないと言う人もいるかもしれませんが、この作品をおすすめしないわけにはいかないでしょう。
人間になれると信じている猫の日常を描いた物語です。名前を須和野チビ猫といいます。
だいぶ長い期間(足かけ9年)描いていた作品なので最初の頃と最後の頃では作品のイメージがずいぶん違います。私個人の意見では81年くらいからの作品(具体的には「葡萄夜」あたりから)の方が好きです。
現在まで物語としては完結しておらず、続編を期待する声は多いのですが、最後に執筆されてから、すでに10年が経ってしまいました。
「椿の木の下」が単行本(7巻まで)に未収録だったので、もう1、2本は描いてくれるかなと期待していたのですが、白泉社文庫シリーズで文庫版として再度出版されたときに収録され、その時「綿の国星」は”全”4巻になってしまいました。(泣)
一話完結型の物語なので、最初に読み切り作品として発表されている第一話目が実は完結編なのかもしれません。
また、漫画としてではないのですが、小学館より毎月発行されている「おひさま」という子供向けの絵本雑誌において「ちびねこ」という作品を連載中です。
これはもちろん、須和野チビ猫の絵本です。1995年までの作品は絵本としても出版されており詳細は書籍リストの小学館をご覧ください。

金髪の草原
絵描き志望のなりすと、自分が大学生だと思いこんでいる老人日暮里歩氏の恋愛物語。大島さん独特の表現方法と設定が物語をただの恋愛物語ではなくより深いものにしていると思います。
余談ですが、もうずいぶん前に、FM-TOKYO(現在のT-FM)で、「夢のひととき」というラジオドラマの番組がありまして、この「金髪の草原」がそこでラジオドラマ化され、日暮里の役に林隆三(すみません間違ってるかも)、なりす役に川村万梨阿、挿入歌に大貫妙子、ムーンライダースを使用してすばらしいラジオドラマに仕上げてました。

いちご物語
大島弓子作品の中で唯一単行本2巻にまたがる長編漫画。
父を亡くし、ラップランドから故郷の日本にやってきたいちごという女の子と林太郎という男の子との恋愛物語。
今読むとさすがに絵柄やストーリーの展開が古いなぁと思うかもしれません。
でも私は、「綿の国星」以前の作品の中では一番気に入っています。
最後の場面はじーんときますね。

わたしたちができるまで
これは漫画ではありません。角川書店から出ている文庫本です。
岩館真理子さん、小椋冬美さん、大島弓子さんの3人の少女漫画家さんが自分の作品を解説したり、インタビューを受けたりしているものです。
大島さんのインタビュアーは吉本ばななさんです。
大島さん本人による全作品解説は大島さんらしさが出ていて面白いです。
作品のちょっとしたエピソードを知りたい人は一読してみてください。
と、お薦めしていたのですが、「既に絶版になっているはずです」と中田さんからご指摘を頂きました。中田さんどうもありがとうございます。
そういうわけで、手に入れるには古本屋に行くしかなさそうです。

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