冒険野郎第六弾

南国バカンスin潮岬

1997/5/26〜5/30

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第二日:船長 誕生!!

4/27(日) 13:14

 南国の海。本州最南端のその海岸には私たちの小さな生命を包み込む優しさと部外者をよせつけぬきびしさが共存していた。

 晴天。真っ青な芝生が広がる高台の岸壁から我々5人は荷物を抱えて海岸へ降りる。海に近づくにつれ、穏やかにみえた景色がうねりとともに白い波飛沫をあげる大自然の一部へと姿を変えてゆく。


 バスフィッシング一辺倒だった我々の釣りも本州最南端の海という立地条件から自然と磯釣りをする羽目になってしまった。ゴムボートを所有する隊長は当然の事のようにボートで沖合いにみえる島まで行くことを我々に告げるのだった。メンバーは5人。ボートは名目上の4人のり。しかもメンバーの約半数は大男・・つまり重量オーバーである。

 当然ボートに全員は乗れないわけで、隊長輸送隊長は泳ぐ事となった。

 海は静かにさざ波が立っているかと思うと次の瞬間には岩肌を洗う大波が打ち寄せる。岩に当たって砕けた海水が白い泡となって水面をおおった。岸から目標の島までには大小の岩があり我々の行く手を狭く複雑なものにしていた。

 ボートを膨らませ、櫂をセットすると、われわれ3人はボートに乗り込んだ。

 なぜか出航まえからうきうきの料理長。神妙な顔で腕をくむ相談役。内心びびるわたし。「今回はひょっとしてちょっぴりやばいかもしれない。」過去に激流下りにて転覆し眼鏡を始め多くのものを水底に沈めた思い出が脳裏をかすめた。

 「とりあえずいこか。」

 とりあえず行くことにした。隊長がボートのたもをもちボートを曳航、輸送隊長がが後ろを押す。ボートには相談役、私、料理長の順に座り、相談役が櫂を持った。


 予想通りの大小のうねりにボートは玩具の様に上下左右に揺さぶられる。少し進むと岩の狭間が前方に迫る。ここを抜けなければ沖に出ることは出来ない。隊長はたもを引きながらその狭間を力強くまるでユーボートの様に前進する。

 相談役の必死の櫂捌き。波がよせ、ボートが岩に引き寄せられる。釣り竿で岩をつき衝突を避けようとする私。波がボートに打ち寄せ直接舟底に座っていた私のズボンのおしりはびしょぬれとなる。BOHEMIAN RHAPSODYが耳元に響く。日本語で・・「かあさ〜ん。おれやっちゃった〜・・・」 注)CD「女王様物語」参照


 その後なんとか脱出。しかし目標の島はとても上陸出来るほどの余地はなく近くまでいくと波で岩肌に乗り上げらてしまいそうになる。ここで上陸をあきらめ引き返す事となったが、帰りもまた岩の間をくぐり抜けなければならない。波に押されすすむうちに水面下に突き出た岩にボートの底がふれる。臀部に違和感がはしりゴムがごりごりといやな音をたてる。

 転覆の危機感から私は必死にボートにしがみつく。相談役必死にこぐ。料理長船酔いでぐったり。いやーな予感がしたがここも無事ぬけだしなんとか生還できる見通しがついた。


 「は〜やれやれ」

 

 ほっとひといきいれ、前方で虚ろな料理長のようすからさぞかし相談役も、と振り返ると満面の笑みの相談役。「おもろすぎる!」 ・・・うれしそう

 

 冒険野郎初登場の相談役が「船長」の肩書きを手にしたはこのときからであった。

(文責:副隊長


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