コーヒー豆の知識



1.コーヒーの生産
2.コーヒーの木
3.コーヒーの植物学的分類
4.三原種
   A.アラビカ種
   B.ロブスタ種
   C.リベリカ種
5.精製処理法
   A.水洗式
   B.非水洗式
6.品質
   A.国名
   B.積出港名
   C.原種名
   D.等級・格付け
   E.輸出業者

1. コーヒーの生産

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 コーヒーはエチオピア原産のアカネ科の常緑木本「コーヒーノキ」の種子を用いる飲み物である。

 赤道から南北緯25度の北回帰線、南回帰線に挟まれた環状地帯は、肥沃な有機質にとむ土または火山灰土壌を持ち、標高200〜1000m、平均気温20℃、年間1000〜2000ミリの均等雨量に恵まれる地域であり、理想的なコーヒー生産圏、すなわち「コーヒーゾーン」あるいは「コーヒーベルト」を形成している。

 このベルト地帯に位置するアフリカ25、中南米20、アジア・オセアニア5の、計50カ国からそれぞれの特性を持つコーヒーが生産され、輸出されている。

 世界のコーヒー生産の、国際市場に占める割合は、ブラジルが約30%、これにコロンビアを加えると両国で約40%、さらにメキシコ、グアテマラなど中南米20カ国で全体の60%を占め、そのほとんどで主にアラビカ種を生産している。一方アフリカ諸国では、コートジボアール5%、ウガンダ4%をはじめとする25カ国で約30%を占め、多くはロブスタ種を生産している。アジアはその他の残り10%程度の生産量である。

 ブラジルではコーヒーの種子は覆いの下で灌水され、1、2ヶ月で発芽する。10ヶ月から1年後の雨季に4、50センチに育った苗木が広々とした農園に定植される。コ―ヒーの成長には日光はもちろんの事、1日の一定時間樹木周辺の地面を冷やすための日陰が必要であり、多くの生産国では、コーヒー栽培に山の斜面を利用する。特に幼樹期は、6〜7メートルごとに一本のシェード・ツリー(被陰樹)を一定間隔に植え、適度の日陰をつくって強い炎熱からコーヒーの樹を保護する。乾熱風は、寒気、降霜、サビ病に並んでコーヒーにとっての大敵である。

 緑色の固く締まった果実が次第に赤く熟してくると、一粒一粒手でつみ取られる。
 コーヒーの果実は、外皮、果肉、内果皮(パーチメント)、銀皮(シルバースキン)とそれらにつつまれた種子(珈琲豆)からなる。種子は果実の中心部にあり、種子以外はほとんど利用価値がない。種子以外の者を除去し、コーヒー豆(グリーンコーヒー)を取り出す。この作業を「精製」という。
 一本の樹木から3〜5キロの果実が採れ、それらを精製するとおよそ0.6〜1キロのグリーン・コーヒーとなる。その後、格付け、検査、貯蔵、輸送などを経て世界中へと運ばれる。

2. コーヒーの木

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hana  コーヒーの木はアカネ科に属する常緑灌木で、野性だと4〜7メートルの高さになるが、栽培においては、剪定して2メートル程度に保っている。

 花は白色で5〜9弁、ときには八重の花もある。ジャスミンに似た芳香がああ利、開花して2、3日でしぼむ。実は桜桃に似て形は楕円形、はじめは緑色だが完熟すると濃紅色になり、普通は手で摘み取る。まれに黄色で完熟するアラビカ種がある。

 実の固い外皮とその中のガム状の果肉の下に、固いさや(殻)で覆われた種子が通常2粒(フラットビーンズ)、まれに1粒(ピーベリー)入っている。種子は細長い楕円形で1面丸く、他の1面は平らで1本の溝があり、ちょうどピーナッツの実のように2粒が向かい合っている。

 この種子がコーヒー豆である。コーヒー豆は緑色か青緑色を呈し薄い銀皮につつまれている。

3. コーヒーの植物学的分類

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 植物学では通常「科」の下に「属」その下に「種」と置いて分類する。これによるとコーヒーは、アカネ科コーヒー属のアラビカ種やロブスタ種となる。

 アカネ科は約350属、4000種を擁する。アカネ科には古来特殊な薬効成分を含む植物が多く、マラリアの特効薬とされたキナノキ、アメーバ赤痢にはトコン、強精剤のヨヒンベといったものがある。その中の1属コヒアは、最もユニークなアルカロイド飲用植物群として位置づけられる。

コーヒー属(コヒア・Coffea)には約40種あるが、経済的には

アラビカ種    Coffea arabica L
ロブスタ種    Coffea robusta Linden
リベリカ種    Coffea liberica Bull ex Hiern
デベブレイ種   Coffea dewevrei Wildeman
ステノフィーラ種 Coffea stenophylla G.Don
コンゲンシス種  Coffea congensis Froehner
カネフォーラ種  Coffea canephora Pierre
エキセルサ種   Coffea excelsa A.Chevalier

など十種あまりを扱い、特にアラビカ、ロブスタ、リベリカを「三原種」と呼ぶ。

 栽培の歴史をたどると、1870年頃までは、世界のコーヒーのほとんどがアラビカ種であった。1870年以降、低地または平地に良く適応し、高温高湿にも強く、さらにサビ病にも強いとされるリベリカ種が加わり、栽培範囲を広げた。

 この背景には1869年セイロンでの、また1876年のスマトラ、ジャワにおけるサビ病の大発生により熱帯低地の栽培に壊滅的打撃を受けたことによる。

 それからコーヒーの原種の持つ特性を生かすよう栽培されるようになり、世界各地でそれぞれの気候、風土にあった種の栽培が行われるようになった。

 現在アラビカ種が主流で約70%生産され、ロブスタ種、リベリカ種がのこりの30%の割合で世界の生産をになっている。

4. 三原種

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A. アラビカ種

 世界の珈琲生産国で最も多く栽培され、消費国に置いても広く飲用されていうる。高品質で豊かな香味が特徴です。
 ブラジル、コロンビア他中南米諸国、エチオピア、アンゴラ、タンザニア、イエメン、ケニア、モザンピーク、パプアニューギニア、ハワイ、フィリピン、インド、インドネシアなど世界の珈琲栽培圏のほとんどで栽培されている。
 栽培には標高500〜1000mの傾斜地が適しており、気温15〜25度、低緯度地方ではシュードツリーが必要となる。
 しかし高温による影響よりも、むしろ低温による被害の方が大きく、5℃以下の気温が長期間続くと樹勢は著しく弱められる。多雨に対しては比較的強いが、乾燥、霜害に弱い。樹高は、6〜7メートルにも達するが、管理や収穫がしやすいように2メートル前後に刈り込まれる。アラビカ種には約70もの品種があるが、現在栽培されている代表的な品種は次の通りである。

コムン comun

 ブラジルの在来種で、その名の示す通り最も<普通>な平豆。中型で細長く、まっすぐに走るセンター・カットに特徴がある。

アマレーロ amarelo

 果実が<黄色>に熟する変わった品種。

ブルボン bourbon

 ブルボン島から由来したブラジル育ちのコーヒーで、ブルボン・サントスに代表される。

カトゥラ caturra

 ブルボン種の突然変異で、1915年ブラジルでのミナスジェライス州で発見された。

 標高700メートル以上の土地に適す。樹形はほぼ傘状、豆はスクリーン14〜15で小粒、サビ病に強く、多産ではあるが隔年に結実する。

ムンド・ノーボ mundo novo

 1943年、ブラジルサンパウロで発見。カンピーナス農事試験場で改良され、1950年頃から栽培されるようになったブラジルの代表的品種。スマトラ種とブルボン種を交配させたもので、環境適法性が強く、多く収穫が出来る。果実は中型〜大型。

カトゥアイ catuay

 ムンド・ノーボとカトゥラの交配種。ムンド・ノーボは樹高が高すぎて農園作業が不便なため、カトゥラ種と交配させた。樹高はあまり高くならず、生産性も高い。

マラゴジペ maragogipe

 1870年に発見されたブラジル原産のアラビカの変種。学名Coffea Indigena。発見地バイア州マラゴジペ地方の地名をとった。樹高、葉、果実とも全て大型。果実、種子の大きさはアラビカ種中トップだが生産性は良くない。



B. ロブスタ種

 1898年。ベルギーのエミール・ローレンがアフリカのコンゴバレーに自生しているのを発見。苦味が強い上に酸味がなく、香りも良いとはいえない
 この品種は強い耐病性が認められ、1900年以降、積極的に栽培されるようになった。特に平地におけるサビ病にたいして強く、1902年にはインドネシア産の約70%を占めるにまでなった。
熱帯アフリカ諸国(ウガンダ、マダガスカル、コートジボアール、トー誤、アンゴラ、ガーナ)フィリピン、インド、インドネシア、トリニダード・トバコなどで栽培されている。
 標高600メートル以下の傾斜地に向き、高地産の果実はかえって小さい。種子は比較的大きく、三品種中最も収穫量が多い。
 樹勢が強く、環境適応性があり、かつ多収量ではあるが、品質は劣り、アラビカの補充、増量用コーヒー、インスタント・コーヒーなどに使われ、一般的に価格も安い。


C. リベリカ種

 西アフリカのリベリア原産でガイアナ、スリナム、インドネシアなどで栽培している。栽培されるようになった時期は比較的新しい。
 北緯南緯10度の湿潤地でも生育可能で、低温、病害(サビ病、線虫)、干害に強い。
 標高100〜200メートル以下の低地または平地に適し、樹高は15年で9メートルにも達する。
 果実はアラビカの2倍あり、暗赤色である。概して品質、香りともに劣り、アラビカの代用品として使う。現地消費の他には少量ながらヨーロッパに輸出されている。

5. 精製処理法

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 果実から生豆にする精製過程には水洗式非水洗式という異なった方法が取られます。これはコーヒー栽培に適した気候・風土を持った“コーヒーゾーン”の中でも、その生産規模や水利条件など地域的な条件によって左右されるためです。
 例えば水の豊富な中南米諸国の中でも、ブラジルのほとんどの地域では水の便が悪いため、非水洗式(乾燥式)の方法を余儀なくされています。
 また、アフリカ諸国の生産地のほとんどが水洗式を採用していますが、エチオピア、イエメンなどの小規模な農園、そして東南アジアなどの生産地では、非水洗式の方法で行うといったように地域によって、それぞれに適した方法を採用しています。
 次にこの両者の精製による差を比較してみると、水洗式で精製した豆には、発酵工程での発酵臭が残ることがあります。しかし粒の不揃いや混入物が少なく、その工程が長くコスト的に割高になることがありますが、品質が均一なため商品としての価値が高いのが特徴です。
 一方、非水洗式は、天日による乾燥作業が主体となるため、気候条件に左右されやすく、単純な乾燥工程ゆえに欠点豆や異物の混入率も高くなります。従って管理面での良否が豆に直接影響してくるのです。

A. 水洗式Washed

 ウォッシュド、またはウェット・メソッドといわれるこの方法は、収穫した果実を水槽に浸してから果肉を取り除く方法で、次のような行程で行われます。

 まず、収穫した果実を水槽内に入れて約一昼夜放置すると、完熟した果実は水槽のそこに沈み、未熟なものや欠陥のある果実は水面に浮かびます。こうした不良品はこの段階で取り除かれ、果実の選別を行います。 選別した果実は“パルパー”という果肉除去機に送り込まれて果肉部分は機械によって取り除かれ、パーチメントに覆われた種子部分が現れます。 この種子部分を発酵槽で1〜1、5日の間発酵させることによって、完全に機械で除去することが出来なかった果肉や内果皮についた粘着物質が溶けていきます。そして、これをきれいな水で充分に洗い流して取り除きます。こうしてきれいになった種子部分を屋外に出して、数日間天日で乾燥させ、さらに“ハリング・マシン“という乾燥機で熱風による乾燥を行って「パーチメント・コーヒー」と呼ばれる状態にします。この内果皮で覆われた状態の「パーチメント・コーヒー」での保存は、風味の変化も少なく、精製されてコーヒー豆として出荷される直前まで、この状態で保存されます。そうして最終工程に置いて、パーチメント・コーヒーは脱穀機によって内果皮、銀皮などが取り除かれ、さらに研磨機で磨かれて「グリーン」と呼ばれる生豆の誕生となります。このグリーンは、出荷に先立って行われる規格により格付けされ、袋詰めにして出荷されます。

 

B. 非水洗式Un Washed

 アン・ウォッシュドは、ドライメソッド(乾燥式)またはナチュラル(自然乾燥式)ともいわれ、次のような作業工程を経ます。

 収穫した果実は水路を通って大きな“バーベキュー”と呼ぶコンクリートの広場へと送り込まれますが、この途中で水に浮かび上がった欠陥のある果実を取り除きます。選別をするここまでの作業は水洗式とほぼ同じ方法です。 こうして選別されながら広場に送り込まれた果実は、水洗式のように果肉の除去という工程が泣く、果実のまま乾燥場に広げられ、天日乾燥が行われます。乾燥する日数は果実の熟し方によって異なりますが、最も熟度の進んだ黒色の果実は1〜3日、きれいに赤く熟したチェリーは約1週間、そして未熟で青い果実は1〜2週間の乾燥が必要です。 いずれの果実も全体がまんべんなく乾燥するように、日に数回攪拌し、天日乾燥を続けます。
 また、乾燥期間中の保管は湿気を防ぐために夜間は1カ所に集積し、シートをかぶせ、日中は広げて乾燥を続けるといった作業を行います。こうしてほとんどの水分がなくなった果実は、外皮と果肉がしぼんで、“ほし葡萄”をさらに乾燥されたようになり、黒い殻が種子を包み込んだような状態になります。 天日乾燥でこのような状態になった果実は、脱穀機によって黒くしぼんだ外皮、果肉部分、内果皮、銀人いったものをきれいに取り除き、グリーン・コーヒーになります。

6. 品質

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A. 国名(産地名、市場名)

(例:コロンビア・メデリン、エチオピア・ハラー、エチオピア・ジンマ、ハワイ・コナなど)

 ほとんどのコーヒーは生産国名で呼ばれ、国名はネーミングの筆頭に置かれる。まず世界のどの国の、どの土地で生産されたコーヒーであるかを記して、その下にさらに細かい分類や格付けが行われる。 産地名とコーヒーの味を短絡的に結びつけるのは誤りである。異なる生産国間でもかなり味の似通ったコーヒーが生産されることもあり、また同一産地でも驚くほど性格の異なるコーヒーが生まれることもある。 いずれにしても産地は分類の基本をなすものである。

B. 積出港名

(例:サントス、リオなど)

 出荷港は、流通経路の証明であり、品質とも大きく関わってくる。産地から出荷港への経路や輸送法は特殊な事情がない限り変わらないので、同一産地、同一銘柄で、同一の港から積み出される。よって業者も同じであるので品質に大差が出ないのである。

C. 原種名

(例:インディア・アラビカ、ジャワ・ロブスタ、ウガンダ・ロブスタなど)

 リベリカ種は現在我が国にはほとんど輸出されていないので、アラビカ種とロブスタ種に大別できる。
 約70%の生産量を占めるアラビカ種は主に高地産で、香味、味とも優れ、粒も比較的そろっていて扁平な形をしている。
 一方ロブスタ種は低産地のコーヒーで、品質はアラビカに劣り、豆はアラビカよりも丸みを帯び不揃いで欠点豆が目立つ。普通、アラビカとロブスタの区別は、国名、市場名と共に「〇〇アラビカ」、「××ロブスタ」と表示されるが、紛らわしくない場合はアラビカ種に限り省略される。

D. 等級、格付け

 等級・格付けの方法は、生産国によって様々で、各国が独自の基準を設けているのが現状である。
最も多く使われている格付けの基準を紹介します。

(1) Washed or UnWashed

 前者は水洗式、後者は非水洗式(乾燥式)を意味するが、慣例上コーヒー名を見ただけで区別が付くことが多い。同じ生産国で両方式をとっている場合もあるので、よく確かめておきたい。 この二つの精製法について、いずれが優れているかは即断できないが、敢えていうならば水洗式の方が外見や品質の均一性の面から、商品価値が高いことが多い。

(2) ピーベリー orフラットベリー

 コーヒー名の後にピーベリーがつけば丸豆フラットが来れば平豆だが、大部分がフラットなので普通は省略される。 ピーベリーは一果実中にコーヒー豆が一粒だけ入っているもので、本来二つなるべきものが一つになっているため、その名の通り豆が丸い形状を呈す。主に枝の先端部に着生し、量的には全体の10%程度である。 かつてはピーベリーの希少価値が買われたこともあったが、実際上の商品価値は需給の安定している平豆が有利である。

(3) 標高 (例:グアテマラSHB、HB、メキシコP/L、B/Lなど)

 格付けの一つの条件としてコーヒー生産地の標高が表示される場合がある。標高は生産国によって独自に、3、6、7、8段階の分類法が採用されているが、名称と高さの決め方が国によってやや異なる。しかし分類の基本的な考え方には変わりはなく、概して高地産の豆は低地のよりも香りが良く、品質レベルが高いとされている。それは高地は気温が低く成熟に日数をようするので、充分な成熟期間が確保される上、適度の寒暖の差が実を引き締められるためである。また高地は雲が発生しやすく、熱帯の強い日差しと気温を程良く和らげる利点も上げられる。反面、高地の地形や、交通、栽培管理における不便さは逃れられない。

(4) 粒の大きさ (例:コロンビア・エキセルソ、コロンビア・スプレモなど)

 コロンビア・スプレモはスクリーン17〜18の厳選高級品、コロンビア・エキセルソは15〜17の輸出向け標準品とされているが、これらは品質というよりもむしろ豆の大きさを主にした格付けである。コーヒー豆は外見的な美しさや粒の大きさ、均一性などが実際取引の上で大きな役割を占めているので、平均的な大きさの豆の方が、加工処理や品質の安定を維持するのが容易であり好まれ得る傾向にある。

(5) 混入物含有率 (例:サントスNo2、エチオピアUGQなど)

 ブラジルのサントス港積み出しのコーヒーは、No2〜No8の等級(品質タイプ)に分けられる。これは300gのサンプル中に含まれる混入物の種類と個数を「欠点数」に換算した分類方法である。たとえば、黒豆が一個混入すると欠点数1、発酵豆が二個あれば欠点数1、虫食い豆は2〜5個で欠点数1とし、欠点数のトータルでタイプを決める。

 エチオピアのコーヒーの等級は、グレード1から8に分類され、1〜5を輸出規格品扱いとし、UGQと表示される。

(6) 味 (例:ソフト、ハードなど)

 ブラジルではコーヒーの味を下の表のように6つに格付けする。そのうち1〜3をまとめて「ソフト」といい(自然の香味を有し、異味異臭のない柔らかな味の良質コ―ヒー)、舌を刺激するような渋みのあるコーヒーを「ハード」という。その他ハイチ、ブルンジなどのように独自の基準を設けている場合もある。

(7) 取引名

 ニューヨーク市場では、取引上コーヒーを次の4つのグループに分ける。

1 コロンビア・マイルド

市場取引名「コロンビア・マイルド」というのは、コロンビア、ケニア、タンザニアなどの水洗式アラビカ種の上品質と規定され、コロンビアはその代表的なコーヒーである。


2 アザー・マイルド

コロンビア・マイルドに属さない、その他の水洗式アラビカ種をまとめていう。取引上、普通はコロンビア・マイルドよりも下位にランクされることが多いが、事情によっては例外も見られる。


3 アン・ウォッシュト・アラビカ(ブラジル・アンド・アザー・アラビカ)

 これは同じアラビカ種でも 非水洗式処理によるもので、特に品質差、価格差が大きい。


4 ロブスタ

 これは全てのロブスタ種が含まれる。品質はアラビカ種に譲らざるを得ず、生産・加工管理によって上限下限の開きがあり、価格が変わりやすい。 以上4つの取引タイプの比率は、1と2の合計が世界生産量の約30%、3の非水洗式アラビカが約30%、そして4のロブスタが約30%である。しかし農産物の常として品質や生産量の変動があるため、価格と流通ともに影響され必ずしも上記の通りにはならない。

E. 輸出業者

(例:FNC、ミツビシなど)

 輸出業者はコーヒー品質の重要な鍵を握り、商品に対する大きな責任を担っているので、名称、記号、マークなどが必ず記載される。


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