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三重大学大学院 武藤 由子
第3回 農業土木学会スチューデントサマーセミナーに参加して



 近、農業土木学会に関係した集まりでの話題や先生方とのお話しの中で、「学生 の声を聞かせて欲しい。」と言われることが多くなりました。しかし、私自身は農業 土木にあまり関係のない研究をしていることもあって、これまで農業土木について真 剣に考えたことがありませんでした。そこで、自分自身の頭の中を整理する良い機会 だと思ったこと、他の学生の皆さんがどのような意見を持っているのかに興味があっ たことからサマーセミナーに参加することにしました。
 ミナーのテーマは“農業土木と開発 〜人間と自然の新しい関係を求めて〜”でした。農業に限らず、自然破壊に繋がる人間のための開発と自然環境の保護は、今世 界中が抱えている問題であると言えます。テーマについての意見発表をする前に、放 送大学鳥取学習センターの赤木先生から「砂丘の形成と課題」について、農業環境技 術研究所の守山先生から「むらの自然を生かす」と題してお話しを伺うことができま した。先生方のお話しから、砂丘と人間との関わりの歴史は地球と人間による開発の 歴史を象徴しているのだと感じると共に、これまで農地の開発のために使ってきた技 術を人間と人間以外の生物との共存のために役立てられる可能性があることを感じま した。
 見発表は時間が足らなくなる程活発に行われ、前もって考えをまとめていなかっ たことが悔やまれましたが、学生だけで討論できる場を持つことの重要さを実感しま した。これまでに、参加したセミナーでは“学生の声が聞きたい”とは言いながら、 学生が発言できる状況にない場合が多かったからです。サマーセミナーの目的でもあ りますが、学生側から意見を発信しようとする姿勢が大切なのだと思いました。そし て、その仲間に加わる学生とその意見に耳を傾けて下さる先生方が増えることを祈り たいと思いました。
 後に、セミナーの企画と準備に沢山の時間を費やしてくださった皆様に心より感 謝します。


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