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京都大学 大西健夫
第3回学生サマーセミナーの感想



 マーセミナーに参加するのは昨年に続き2回目でした.昨年は自分自身の発表と,講師講演の司会進行を行いました.どちらも反省点ばかり目立つ不本意なものでしたが,それ以上に得るものが大きかったのも確かです.それは,他大学に多くの友達ができ,自分の研究に対するアドバイスを同年代の人からもらったことです.そういったいい思い出ばかりがあったので,今年3月,鳥取大学の多炭くんがサマーセミナーの企画をすると聞いて,僕も即座に企画に参加することにしました.
 年のサマーセミナーの特筆するべき特徴は,メーリングリストを使用して複数の大学の学生が共同で企画を行えた,ということでした.テーマの決定,講師の選定,資料作り,と各段階で試行錯誤しながら企画をしてきました.また,サマーセミナーの意義もだんだんとはっきりしてきました.やはり最大の意義は,学生がお互い交流し話し合う場を自発的に企画することにあると思っています.さて,そうやって決めたセミナーのテーマ,「農業土木と開発」ということに関して,セミナー終了後,思い・考えたことを簡単にまとめます.
 進国の抱える様々な問題(環境問題や精神的な問題)を引き起こすことなく,先進国の享受している豊かさ・便利さを得ることはできないのではないかと思います.先進国の享受している豊かさ・便利さの世界とは異なる将来像を描くことができない限り,発展途上国は先進国と同じ轍を踏むのではないかと思います.理想は,あくまでも将来像あっての開発だと思います(なかなかそううまくはいきませんが).先進国が今とは異なる将来像を示せていない今,当然,発展途上国は今の先進国を目指して発展してくると思います.だからこそ,生活に余裕のある先進国には,明確な将来像を示す義務があるのだと思います.
 の将来像を描く時のひとつのよりどころを,両講師の先生は提示してくれたと思います.お二人の話は,長いスパンでの環境・生命の変化をよく理解したうえで,人間は開発をしなければならないということだったと思います.しかし,こういうことは人間には頭では理解できても実感はしにくいと思います.かと言ってそれであきらめてしまってはもともこもありません.こういうことを実際の現場に適用できるようにしていくのは僕たちの仕事なのかな,と思います.
 回は,開発を農業に引きつけて議論することがあまりできませんでしたが,僕個人は,今後は,こういった観点から問題を掘り下げていきたいと考えています.今年のサマーセミナーは終わましたが,このセミナーを起点に,いろいろな話題を話し合える定期的な場ができあがっていくことがあれば,今回のセミナーは大成功だったと思います.それは,これからの僕たちの活動次第でもあります.来年はさらに実り多いセミナーが開かれますように.


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