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鳥取大学 大利 元樹
サマーセミナー感想文



 回初めてサマーセミナーに参加させていただきましたが、こういった議論の場で改めて十人十色と言う言葉どおりの各人の考え方の違いを認識しました。同じ位の年齢の、農業土木にという狭い分野に携わっている人間でも、一人一人が異なった考え方を持っている…・。今回、最も強く感じたことです。
 は以前、環境サークルに所属していました。ここで環境保護に関してあらゆる議論を行いましたが、一つ一つの問題に対する各人の考え方の違いをしばしば感じました。もちろんこれは、当然と言ってしまえば至極当然のことです。考え方に相違がなければ議論は生まれませんから。私が最近考えているのは、この考え方の相違、という当然のことを認識するのが環境にアプローチしていく上で重要なのではないか、ということです。なぜなら、農学に携わっていない大多数の人々との考え方の相違は、これ以上であるからです。
 山さんの鳥屋野潟に関する発表では、水環境がますます悪化した場合、市街地住民と農用地周辺の住民の間で対立が起きるのではないか、と感じました。そうなった場合、我々としては農用地保護の立場に立つと思います。では、市街地住民の側に立つ人の考えは間違っているのか。おそらくそうではなく、考え方に違いがあるだけでしょう。また、守山先生のお話について、「理想郷」と言う意見が多かったのを記憶していますが、先生は、実現はそんなに難しいとは思わない、とおっしゃっておられました。ここにも先生と参加者の考え方の違いが現れていますが、一般の人々(特に実際に農地や施工に携わる方々)とではより大きな意見の相違が現れてくると思います。
 たちが環境の保護を重視した開発を実践しようとした場合もまた、こういった考え方の違いからくる意見の相違が大きな壁となるだろう、と思います。価値観についての議論の中で、「経済至上主義」と言う言葉が出てきましたが、しばしば環境保護と対立するこの考え方に立っていると思われる人の意見でさえ納得させられることが多々あります。対立する意見を切り捨てるのではなく、お互いの意見を昇華できるような議論を展開できる柔軟な思考と相手の意見に流されない思考の基盤を持つことが必要だと思いました。そのトレーニングに、こういったセミナーは最適だと思いました。
だらだらと自分の意見を書いてしまいましたが、感想文と言うことで許してください。


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