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宇都宮大学 鈴木研二

宿題の感想文「第3回サマーゼミナーに参加して」


分の話題提供(「豊かさと発展の価値観を問う」)について:
 まず反省点から。東北タイでの生活・調査などの話しが少なかった。「価値観を問う」ということでは、価値観は全く個人の自由ではないか、などと誤解されてしまった。資料として渡したものは実は要旨であって、本文を発表原稿として使ったが、本文も提出した方が良かったか。
 次に、発表後他人から評価され自分でも良かったと思ったことについて。3部構成でその間毎に質疑応答や討議の時間をとったこと。参加者へ多く発言を求めたことなどである。

発について:
 今回開発についてまさに考えることができた。開発については問題意識を普段から持っているつもりであったが、実は固定観念をなぞっていただけのような気がしてきた。その証拠に、参加したことによって得られた一時的結論がいくつかある。
・ 全ての開発は人間の要求を起源として、そこから一歩も外へは出られない(出ようと努力しても出られないし、その様な努力も不要なのですが)。確かに開発の傾向は破壊型開発から保全型開発に移行している。しかし、如何に生態系を保全するといっても、人間は必ずその見返りを充分に期待している。一見いい開発と悪い開発があるようですが、根っこのところはつながっていて、必ず人間の利益に忠実な開発しか存在しない。人間の生存が危ぶまれるからその苦肉の策として保全が出てきただけ。
・ しかし、どうせ開発するなら、地域の特性に応じた増しな方策はあるはず。現実的には「開発はどうせ人間の利益なのさ。」などと捨て鉢にならずにしぶとく考える必要がある。
・ 開発圧の高い地域と低い地域とがある。より現実的な開発を論じる場合には、これを区別する必要がある。開発圧の低い地域ではそれを高めるような合意が形成されやすい。逆に開発圧の高い地域ではそれを緩和させる方向(しかし低くすることは至難)を支援する意見が活発化する。しかし低開発圧地域も将来的には高開発地域に転じるだろうから、前車の轍を踏まないような開発を見通す必要がある。このように考えると日本の実態・役割は極めて重要。

体的な感想:
 私は第1回に参加したが、前段階での準備など次第にしっかりしたものになっていることを感じた(しかし宿題などは増えてきましたねえ)。また、講師の先生方も今回のテーマに準じた内容を講演してくださったし、なにより実行委員?の学生によるしっかりとした選択が功を奏したのだろう。
 開催地は京都近郊だろうという根拠のない先入観があったため、はじめは京都から鳥取という移動に対して距離的な抵抗を感じた。しかし自分にとっては滅多に行ける場所ではなく、いい機会であった。主題との結びつきなどからも、開催地についても良好な評価が得られたのではないかと思う。
 旧友と再会し、新友(造語です)ができたので、それも満足です。


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