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鳥取大学 多炭雅博
サマーセミナー感想文



 回サマーセミナーに参加して一番よかったと思うことは,新しい友達ができたことと古い友達に再会できたことです. そういう意味では,僕にとって今回のサマーセミナーのメインは「開発について考える」ことより実は,E-mail,meetingを通してみ んなでした企画であり,バーベキューや寝る前の飲み会であったと思います. もちろん,これらの交流・親睦は,みんなが1つのテーマについて考える,という企画の上で成り立ったことですし,開発というテー マ自体も非常に興味深いものでした.

 は今回のセミナーで友達が増えたことでただ満足しているのですが,この感想文には「必ずテーマに関して自分の考え・意見を入れ る」ということが決まっていますので,今回のテーマ「農業土木と開発−人と自然との新しい関係を求めて」について,自分の考えを 書きます.

 のテーマはかなり大きいので,今回の何人かの講演や限られた時間の討論会では僕自身何を学ぶことができたのかよく分かりません が,少なくとも開発に対する問題意識が持て,開発を考えていく上での第一歩になったのではないかと思います.

 ころで,今回のセミナーでは,「環境」という要素も大きく関わっていましたが,開発と環境についての僕の考えで1つセミナーで 紹介し忘れたことがありますので,この場を借りて紹介します.

 はスリランカで主に「マラリアを媒介する蚊のボウフラを水路からflushingする」というような研究をしていました.その水路がほ とんど自然の川と言ってもいいもので,水溜まりにボウフラが発生する,水が効率的に下流に届かない,などの問題があるので,将来 的にライニングされる計画が出てきています.ライニングされると水路に水溜まりが無くなるので,ボウフラの数−ひいては地域住民 のマラリアに対するリスクは軽減されるだろうと言われています. スリランカを見ていると昔の日本を想像(僕は若いので)することが多いですが,過去の日本でも農業開発が公衆衛生に与えた影響は 大きいらしいです.

 のように衛生と環境は対立する面もあると思いますので,あまり過剰に環境を優先させるのではなく,バランスが大切だと思います .それと,やはり経済的な視点や労働生産性みたいなこともいっしょに考えることが大切だと思うのですが. いずれにしろ,このような問題をきっちり考えるには,もっともっと多くの知識や情報が必要ですね.

 後に. 次回のセミナーの企画は,東大の飯山君が中心になってやってくれるということですが, セミナーがどのような形になるにしろ,「 学生間の交流を深める」というのを最大の目的に位置づけることをお勧めします.



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