日本人には水田に自然を感じる人が多いようですが、私はこれまで、水田は人間が自
然に手を加えた物であって決して自然ではなく、工業製品を作り出す工場と同じ様に
農作物を作る工場なのだと考えていました。しかし、守山先生のお話しをお伺いして
、水田は人間と人間以外の生物が共存できる独特な場なのだと考えるようになりまし
た。地球における“人間と人間以外の生物との共存”は、正に今私達に課せられた問
題です。先生が造成された農村環境モデルから得られた数々のデータは、私達がこの
問題に取り組む際になくてはならない貴重なものであると思います。また先生が行わ
れた研究から、これまで農業土木が日本の農業のために開発してきた技術を、“人間
と人間以外の生物との共存”のために役立てることができるという大きな可能性を感
じました。
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