名前: | 大西健夫(おおにしたけお) |
大学&学年: | 京都大学D1 |
研究テーマまたは興味のある研究テーマ: | 谷地田・棚田の水貯留機能の評価 |
趣味&特技: | 映画鑑賞、ピアノ |
出身: | 東京都練馬区小竹町 |
その他: |
サマーセミナーに参加するのは今回で二回目です.今回は,メーリングリストで事前のやりとりが盛んに行われてきましたので,セミナーがより充実し,ひとりひとりがより多くのものを得られるのではないか,と期待しています. |
テーマについて各自の考えや思うことなど、自由に書いてください: |
高度経済成長期の大規模土木技術を背景にした農業土木開発(諫早湾干拓,ダム開発など)が現在問題になっていますが,これは,狭い意味での「農業土木」であり,「開発」であると思います.農業土木の本質は,農業に不可欠な水・土をいかにして利用・管理するかということを研究することにあると思います.一方,開発については,土地を切り開くこと(森林伐採など)や土地をつくりだすこと(干拓・埋め立てなど)だけが開発ではありません.開発は,人間がより快適な生活を得るために環境(すてに人間の手の加わったものも含む)に手を加え,その環境のポテンシャルを今以上に引き出すこと,なのだと思います.このように考えると,開発は人間の活動そのものです.そして,この開発のありかたが農業土木を規定するのだと思います.今は,開発の是非というより,ありかたが問い直されているのであり,広い意味での農業土木や開発は否定されるべきものではないように思います. では,どのように開発を行えばいいのか,ということが日本では課題になります.今思いつく方法には二つあります.ひとつは,生態系の破壊が問題になっていますので,生態系をよく理解した(考慮したではない)上での開発をする方法です.もうひとつは,過去の人間がどのように開発を進めてきたのかということを学ぶことで,今の開発のやり方を相対化し過去から良い点を学ぶ方法です.でもなによりも大事なのは,個々人が,どのような環境を快適な環境と感じるのかということを真剣に考え,お互いに意見の相違をすりあわせていきコンセンサスをつくることだと思います. |