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「開発」という言葉は人間を中心に考えられている場合がほとんどで、開発前にそこに住んでいた生物の事を考えていないと思います。人間の「開発」という言葉の名の下に多くの生物の命が奪われ、さらに悪い事には、その結果が環境破壊などという形で人間にまでフィードバックしているというのが現状ではないでしょうか?私は学部生時代はいわゆる環境問題をうたい文句にしている学科(東京農工大学環境・資源学科)に所属していました。大学1年の時、学科の概論的な授業があり、この授業を受け持ったほとんどの先生が環境保護は人間の為にやるものであるということを明言していました。当時はろくな知識も無くすべての生物が共存できるような世界にしたいなどと理想が先走っていた私には結局環境保護といいながらも人間の事しか考えていないような人達がその最先端にいるという事がすごくショックでした。色々と勉強していくうちに、社会的・経済的・技術的な問題を考慮すれば、まあ、現状ではそれでも仕方ないかなという気になっていきました。しかし、私は全ての生物が等しく生きる権利を持っており、人間のわがままでこれを奪う事は決して許されるべきではないと思います。少なくとも開発に携わるものは、この事を最終目標にしていかなければ行かないと思います。農業土木という分野はどちらかといえば大規模な開発を行なう事が多く、まさに人間本意であると思います。これまで、農業土木の分野でも環境破壊につながるような開発は数多く行なわれてきました。私が知る限りでは日本国内ではこれを改善しようという動きもあるようですが、世界的規模で見れば社会的、経済的理由等からまだまだ完全には行われていないと思います。このような社会的な問題の解決も当然行なわれるべきですが、われわれ農業土木に携わる技術者・研究者(の卵)としては、そのような問題も含めた開発の新しい方向性を見出す事、また、最初に述べたような私個人としては、やはり人間本意でなく可能な限り全ての生物の共存を最終目標にして勉学に励む事が大事だと思います。
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