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Memo
- 稲にまつわるあれこれ
[2008年01月]
○稲にまつわる豆知識や基本的事項のメモ
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イネ
熱帯原産の作物.
栽培面積は約1億5,000万haで,世界の全耕地面積の11%を占めている.
総生産量は1989年以降5億トン(もみ重)を超え,現在栽培されている作物の中では,単位面積当たり収量の高い作物の一つ.
栽培種は,オリザ・サチバ(Oryza sativa.L)とオリザ・グラベリマ(O.glaberrima L)の2種.
オリザ・サチバは日本をはじめ,広く世界で栽培されている.オリザ・グラベリマは西アフリカに限定されている.
アジアイネの栽培は,遺跡の発掘などから推定して,紀元前7000年ぐらいまで遡ることができる.
日本へは,縄文時代の後半に中国から直接,または中国から朝鮮半島経由,あるいは東南アジアや琉球諸島経由で伝来したと考えられている.
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イネの生育
ある一定の時期になると幼穂が分化し(
幼穂分化期
)し,幼穂は葉鞘につつまれて発育し,やがて出穂・開花する(出穂・開花期).
受精・結実して成熟する(成熟期).
栄養成長期
発芽から幼穂分化期まで
発芽から移植(植え付け)までの,育苗箱や苗代で苗を育てる
育苗期
と,移植後の本田で葉や分げつをふやしていく
分げつ期
とがある.
生殖成長期
幼穂分化期から成熟期まで
幼穂分化期から出穂・開花期までの
幼穂発育期
と,出穂・開花期から成熟期までの
登熟期
とがある.
さらに,幼穂発育期は,幼穂やえい花が分化する
幼穂形成期
と,分化したえい花が完成するまでの
穂ばらみ期
に分けられる.
最高分げつ期
分げつがもっとも多くなる時期
有効分げつ期
発生した分げつのうちで穂をつけるもの
無効分げつ期
発生した分げつのうちで穂をつけないか,つけても実らないもの
有効茎歩合
最高分げつ期の分げつ数に対する有効分げつ割合
日長は,夏至を境に徐々に短くなるので,短日植物のイネは夏至をすぎたころ幼穂分化し,生殖成長へと転換する.幼穂分化は日長よりも温度の影響を受ける品種もある.これらの特性によって出穂・開花期が決まってくる.
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基本事項
植物単位
植物の体をつくる単位: 葉−節間−えき芽−節
栄養成長
植物が葉を大きくし,葉数や側枝数を増やして体を作る過程
生殖成長
花芽を分化・発達させて開花・結実する過程
葉面積指数
一定面積に茂っている葉面積をその土地面積で割った値
安全確実に高収量・品質をあげられる葉面積指数を
最適葉面積指数
という.イネの場合5〜7とされている.
光周性:フォトペリオディズム
植物が日長に反応して花芽分化し,開花する現象.
短日植物
短日条件で,花芽分化して開花する植物.イネはこれにあたる.
花芽分化の境目の日長を
限界日長
といい,この限界日長よりも日長が短い場合がその植物の短日条件となる.
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読み方など
主棹:しゅかん
種子から伸びる茎のこと
葉鞘:ようしょう
棹から伸びる葉
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関連書籍や情報源
作物栽培の基礎 農文協
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