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   Memo - 山田錦の栽培等に関するあれこれ [2008年01月]
○山田錦に関する基本的事項のメモ.ここでは主に栽培管理などに関するものを取り扱います.

 山田錦:昭和11年に兵庫県が育成した晩生品種で,阪神北部地域や北播磨地域で栽培され,兵庫県の酒米栽培面積の8割以上を占めている.ちなみに平成17年産栽培面積 3,773ha.

- 気象
  • 兵庫県南東部の気候:
    • 瀬戸内海式気候.温暖で降水量が少ない.
    • 三木市:年平均気温14.4℃,年降水量1198.3mm.
  • 山田錦の産地は標高50〜150mの山麓や谷間にあり,登熟期間の夜温が低く日較差が10℃と大きい.
  • 千粒重は,出穂前20日間の日照時間が多い場合や,出穂後11日〜20日目あmでの気温が低いときに大きくなる傾向がある.
  • 特に最低気温,夜温が低くなる気象条件が大粒の酒米生産に必要.
  • 出穂期からの日平均気温の積算温度と青味籾率には一定の関係があるため,積算温度によって収穫適期を見積もることができる.山田錦の場合1000〜1050℃が目安となる.
- 移植時期・裁植密度
  • 移植時期:6月上旬
  • 裁植密度:m2あたり18.5株(坪当たり約60株)が一般的.
  • 植え付け本数は3〜5本
- 水管理
  • 除草剤施用時の湛水状態の維持
  • 分げつ最盛期の中干し
  • 幼穂形成期から出穂前後の飽水状態の維持
  • 出穂後25〜30日まで完全に落水しない
  • 湛水状態が必要ない時期は,間断かんがいに努め,土壌の還元化に注意する.
  •  
  • 産地は粘質土壌が多く,排水不良田や強度の乾燥であぜがずり落ちてしまう圃場があるため,中干しが困難な圃場が多い.
  • 中干し以降の水管理,とくに収穫前の落水時期を遅くすることが重要.
- その他
  • 登熟期間の高温化や分げつ,穂数の増加による品質の低下が問題になっている.
  • 対策として・・
    • 移植期を遅らせたり,移植時の植え付け深さを5cm程度の深植にするなどしている.
  • 山田錦は,穂数が得られやすい.近年は茎数,穂が多くなる傾向にあるため,過剰分げつを抑制し,有効茎歩合や登熟歩合の向上を図ることが,収量や千粒重の増加につながる.
- 関連書籍や情報源

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