今回の講演者は「創刊男」の異名を持つくらたまなぶ氏.
はて?誰それ?っていう人が大半でしょうか.
20年間リクルート社を勤めた末に,1998年に退社して,現在株式会社あそぶとまなぶ の代表をされているんですが,その20年のリクルート時代に・・・・
「とらばーゆ」「ベルーフ」「フロム・エー」「エイビーロード」「じゃらん」「ゼクシィ」「ダヴィンチ」「生活情報360(後の,ホットペッ
パー)」「あるじゃん」「じゃらん」「じゅげむ」「ザッピィ」などを開発・創刊したっといえば,すごい人!っていうのが伝わるかな??
20年もの間,新しいものを作り続けてきた彼が,
新規事業を立ち上げるコツ
もっとひらたくいうと
具体的なアイデアをうむコツ
を熱く語ってくれました.
と,いっても彼の話の要点は
“お客の言葉に耳を傾けよう!”
のただ一つだけでした.
まぁ,でも耳を傾けるにはとっかかりがいりますね.
そこで,昨日までの行動を数字で知るための市場調査を徹底的に行う必要があるという.
とにかく徹底的に,そして細かく,具体的に.
数字を細かく分解して初めて,仮説・戦略がたてれるようになると.
ここで芽が出た仮説・戦略を持って,人の気持ちを聞きに行く.
すなわちマーケティングを実施する.
ただし,注意しないといけないのは,市場調査とマーケティングを混同しないこと.
市場は「算数」.マーケティングは「国語」.
市場調査は過去の事実.マーケティングは明日からの気持ちを言葉で知ること.
この「人の気持ち」をどれだけ集められるか.どれだけ普通の言葉でまとめられるかで,仮説・戦略の成否が決まる.
とくに大切なのが,人の気持ちを集める順番.
まずは,「好きな人・得意な人」に聞くこと.
これには,背中をポンッと押してもらう効果がある.
つぎに,「嫌いな人・苦手な人」に聞くこと.
これには,見逃してた点に気づくチャンスがある.
そうして,「普通の人」に聞くこと.
ここで沢山の人の気持ちに触れることで,アイデアが具体化される.
こうして集めた沢山の人の気持ちを持ち寄って,
徹底的に
夢を持って
ブレイン・ストーミングをすることによって,形になるのだという.
このとき,決して忘れてはいけないのは
右手にロマン・・・・・・・・・・世のため,人のためになるか
左手にソロバン・・・・・・・稼げるか,儲かるか
心にジョーダン・・・・・楽しいか,面白いか
を持って望むこと.
このどれが欠けてもダメであると念を押して話を閉じました.
彼の話は,とても具体的で,途中で出てくるたとえ話も的を得ていてとてもわかりやすいもので,文章に仕切れない部分にも多くヒントが隠されていて,90分間飽きさせない内容でした.
今回,宮崎会場に質問の機会は与えられませんでしたが,他会場からの質問者の意図やその背景を的確に読んで,質問に答えるというよりもアドバイスするといった感じの受け答えに,他の講演者の方にはない彼独特の懐の深さを感じました.
関連書:MBAコースでは教えない「創刊男」の仕事術 2003/日本経済新聞社 くらたまなぶ
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