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   榊原英資:インドを読み解く [2006年1月]
                                  -講演会聴講レポート in 慶応MCC夕学五十講
今回の講演者もビッグネームです.
ブロードキャスターなどの報道番組でもおなじみの慶應義塾大学教授の国際経済学者の榊原英資氏.

榊原氏は,長年インド経済について研究されている.
昨今は,なにかと中国経済が採りだたされてあまり目立ちませんが,世界経済を考えたときインドは決して見逃すことが出来ない国なのです.

「BRICs」という言葉が何を意味するか知ってますか?
 ・・・就活前の学生さんは知っておかないとアブナイですよ(笑)



インドの人口は10億5千万.世界第2位の人口.GDPだって世界第2位の地位にいる.華僑ならぬ印僑は,現在世界に1500万人.その多くがプロフェッショナルとして活躍していて,とくにアメリカの科学・医療分野に多い.


その姿はちょうど,10年前の中国といっても良いと.


また,日本にとって,インドはかつて近い国だったと榊原氏はいう.
長らくイギリスの支配下にあったインドを解放したのは,日本軍だったのだと.
今でもインド人の多くは親日派であるという.


でも・・・.
残念なことに,インドは核実験をくり返した.
その他,様々な要因があって距離が次第に離れていった.



21世紀はアジアの時代.
いや,アジア“復活”の時代であるという.
かつて14世紀〜18世紀まで,アジアは世界の工場だった.
そしてまた,世界の工場の座を復活させつつある.
現在東アジア域の貿易規模はNAFTAを上回るという.

マーケットは,中国に2億.インドに1億5千万.その他アジア諸国併せて7億.
文字通り世界最大のマーケットである.

そして,インドはソフトに強い.
世界各地で活躍するエリート達の技術力により,2050年には中国,アメリカを抜いてGDP世界ナンバーワンになるであろうと榊原氏はいう.


インドは,日本を求めている.
いま,インドに足りないのはインフラ整備.日本のインフラ力を求めている.

我々日本もインドに学ぶべきものが多い.
ソフトを生み出す力となっている教育については,とくに.


この講演をきっかけに,ぜひともインドに興味をもってもらいたい.
そう言って話を締めくくりました.



あの穏和な雰囲気で,ときおり“カッカッカッ”っと快活に笑いながら,楽しげに話をする姿が非常に印象的でした.

私たちの学問分野でも,いまは中国・韓国あたりに向いている感じがします.
インド.同じアジアのこの国に,少し関心を向けても良いのかな?そんな気にさせてくれた講演会でありました.


関連書:
 本物の実力のつけ方 2004/東京書籍  榊原英資・和田秀樹


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