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   一條和生:グローバルリーダーシップ開発の現場から [2006年7月]
                                  -講演会聴講レポート in 慶応MCC夕学五十講
今回は一橋大学大学院社会学研究科教授,IMD教授の一條和生が講演者でした.

はて?という感じでしょうが,組織論,リーダーシップ論で有名な方で,その手腕を買われて日本で唯一人のIMD=スイス経営開発国際研究所の教授になっている方.

IMDとは,いまやStanfordを抜いて,世界ナンバーワンの座にある研究所兼ビジネススクール(http://www01.imd.ch/).MBAの取得はもちろんのことながら,もっとも大きな特徴となっているのがEMBA,エグゼクティブの為のMBAコースを置いていて,毎年90ヵ国から8,000人のエグゼクティブが集まってくると言うからスゴイ.

一條氏の話は,日本ではなじみの薄いIMDの教育体制と,理念.そして世界中のエグゼクティブに触れてきたなかでの感じるリーダーの資質について語ったものでした.

彼がもっとも強調していたキーワードは,「多様性」.世界が急速に「フラット化」されるなかで,もっとも重視される視点は多様性であるという.事 務・労働分野でのビジネスが中国・インドで独占されつつある現在,多様性の中から産み出される創造性でしか,チャンスがないと捉える.チーム内にしろ,個 人の中にしろ,その「多様性」を育む上でもっとも大切なのが,人間としての幅=良き教養人であることなのだという.

様々な国籍・言語・文化の違いを乗りこえた個別でかつ,普遍的なアイデアに至るには,まず自分の国を良く知り,言葉を知り,文学,芸術を語れる人でなければいけないという.

このあたりの感覚は,ベストセラー書になった藤原氏の「国家の品格」や世界的な日本画家・千住博氏をはじめ,多くの方々が強調される点ですね.


それからもう一つ.印象に残ったのがチャーチルの一説.
“ I am willing to learn;
but I don't like to be taught!”

エグゼクティブは,例外なく好奇心の塊で,常に学び続けているという.日本の多くの経営者たちと親交の深い一條氏.著名な経営者の多くが勉強家で あることをしっているその一條氏でも驚くほど世界の経営者はさらに勉強しつづけているという.そういう彼らの姿勢から,「私たちは学ばなければならな い.」と強調していました.


一條氏は,あいにく声をつぶしてしまってガラガラ声の状態でした.喉が持たないから・・ということで,いつもより早めに終わる予定だったのに,語るうちに熱くなって結局いつもと同じぐらい語ってしまってました.
「学び続けなければならない」・・・いつも感じていますが,今回より一層その必要性を実感しました.

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