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   丹保憲仁:水と緑と大都会 [2006年10月]
                              -講演会聴講レポート in 宮崎大学
放送大学開所10周年記念ということで,放送大学長である丹保氏の講演でした.

丹保憲仁さんは,いっぱんの方はあまりご存じではないかと思いますが,「水」分野でははずすことのできない人物です.

専門は土木分野の中の衛生工学で,とくに上水,飲み水の水質の問題などを精力的に研究されてきました.
そういった専門分野の業績もすばらしいのですが,丹保氏が世界を見る視点はとても広くかつ包括的で本質を突くので,書籍や雑誌のコラムを読むたびに“はっ!”っとさせられることがしばしばあります.

そんな丹保氏が,水になじみのない一般の方々を意識して,人間社会のこれまでとこれからを環境の視点,とくに重要なキーとなる「水」の視点から論を展開していました.


20世紀は成長の時代.
世界中で人口が急増し,経済も成長し,消費も成長.
それを支える農業生産物も成長し,農地も拡大してきた.

しかし,人類は増えすぎた.地球に生息する生命をすべて重さで表すと,人類とその家畜だけで70%を占めるまでになった.

これまでは社会が飽和すると,未開の地へと赴いてそこと都市社会との公益を作り出すことで,何とかしてきた.でももう地球はいっぱいいっぱい.
もはや「水さえも」いっぱいいっぱい.

日本も,江戸時代の人口3000万人ぐらいが,日本の生産力などからすると適切な数.大目に見ても4000万人が精一杯.いまや8000万人が過剰.
日本の人口は減り始めたが,いずれ5000万人規模まで落ち着くだろうと丹保氏は言う.

50年先をみつめた視点で世の中を見なければいけない.
そう訴えていました.


人口,エネルギー,温暖化etc,いろんな問題をわかりやすく説明されるので,とても面白い講演でした.そしてそれぞれが「水」と結びつく.
聴いていて,「水」の研究をしてて良かったなって思うと当時に,まだまだやらないといけないことがたくさんあるな〜っとやる気をもらいました.

こんな話を学生さんにできれば,もっと私の研究にも興味を持ってもらえるのにな.

もっともっと勉強しないとな.
私にとってはとても良い刺激になった講演会でした.

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