学園祭のイベントの一つとして企画された講演会です. 講演者は,乙武洋匡さん.在学中に書いた「五体不満足」が大ベストセラーになり,卒業後はスポーツライターとして活躍されていますね.最近は,教育問題にもいろいろと携わっているようです. この講演会は乙武氏の独演ではなく,司会との対話形式で話を進める形でした. 司会者も学生ですので,やはり学生らしい素朴な質問が多かったですね. 「宮崎の印象」や「五体不満足を書いてからの生活の変化について」だとか,「活動の源何か?」とか. 対話の中でなんとなく見えるのは,「五体不満足」以後メディアに取り上げられることが増えたおかげで味わったさまざまなとまどいが,その後の彼の活動に大きな影響を及ぼしていると言うこと.その中で,彼なりにもがいてきた様子がうかがえます. 講演タイトルがヒューマン・パワーなので,それに見合う「良い話」を司会者が引き出そうとし,そしてそれに乙武氏も合わせようとしている姿が印象に残ります. でも,なんだかあんまりかみ合ってないんですよね(^ ^; それから,やはりまだ若いからでしょうか・・・ 全体的に話の内容が薄い気がします.深みがないですね. 一般的に良い印象を持たれるような方々が話す人生の処世術のようなものを彼の言葉で復唱しているような印象です. 酷な言い方をすると「軸」がない.スポーツライターとしても,教育問題にしても,そして人生にしても. 自分でもわかっているのかも知れません.でも,そんななかでも世の中の人に言葉を求められるもどかしさをなんとか自分なりに克服しようと試行錯誤している様がかいま見えました. 最近は,東京都新宿区で非常勤職員として働いているようです.「子どもの生き方パートナー」という役所で,いろんな教育の現場を見て歩いているようです. そして,さらには今年,小学校の教員免許を取得するために勉強しているようで,ついこの前教育実習が終わったところなんだとか. 彼は,これからどういう方向で自分の「軸」を見つけることになるのでしょうか. しばらく,見守ってみたいなっと感じました. [前画面に戻る]
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