今回登場したのは,辛口評論家でおなじみの佐高信. 関口宏の「サンデーモーニング」や,雑誌:週刊金曜日などでよく眼にするかと思います. その佐高氏が,現在の日本の状況を,とくに政治がらみの問題等をありったけのブラックユーモアを絡めながら,話ました. その内容は,とても過激で,レビューとしてここに載せると,「私」が非難されかねないので,今回はレビューは差し控えさせていただきます(笑) ただ,講演に先立って配布された資料に記された,話の流れ・キーワードだけ紹介しておきます. 詳細は,佐高氏の著書をご覧下さい.内容はほぼ同じです. 長谷川慶太郎 − 堺屋太一 − 竹中平蔵 VS 城山三郎 − 内橋克人 − 「 」 ←ここには「佐高信」が入るらしい・・ バブル派(甘口)とアンチバブル派(辛口) 「社富員貧」の視点 殿さまたちの記者会見と 北洋銀行の武井正直: 「こんなバカな時代が続くはずがない」 信号機を壊した小泉・竹中「改革」 NHKならぬMHK(村上ファンド・ホリエモン・木村剛(日本振興銀行会長)) 鈴木宗男・ヒューザー小嶋進との対談と彼らの言い分 民営化という名の会社化 JR・郵政 暮らしよりイデオロギー優先のタカ派 靖国参拝違憲判決と小泉純一郎 太物秘書官・飯島勲のメディア・コントロール 北朝鮮訪問を巡って 佐川急便事件と加藤六月の思い出 「いい人」をやめよう 滋賀県知事に嘉田由紀子が当選した意味 加藤紘一ひとりの存在感に及ばぬ公明党 どれもおもしろいエピソードだったのですが,鈴木宗男や小嶋進との対談のくだりで「モラル」ということに佐高氏が触れたところに私はとくに興味を抱きました. そこで講演後の質疑の際に,「モラル」に絡め,最近の教育改革関連の動きについての思っていることはあるかどうかを聞いてみました. すると彼は,こう答えてくれました. 教えたことに対して反対する権利を与えることが大切. 今,ならす教育ばかり言われている.いうなれば調教のようなもの. それは子どものためではなく,大人にとって都合の良い教育である. 師を超えていく権利を与えることが本当の教育のはずだ. それぞれの思惑で教育がいじくり回されすぎている. うん.なかなかいいこと言いますね. 「師を超えていく権利を与えること」 佐高氏の言葉はドスがきいていて,ときおり相手の深部にまで到達します. 傷口から見えるものはとてもグロテスクなので,「いい人」であろうとするとついその傷を見ないようにしてしまいます. でも,グロテスクなものが確かにそこにあることを意識しておくことはとても大切で,そのグロテスクなものを独自の嗅覚で探し出してくる佐高氏のよ うな存在は,社会にとってとても大切なものだなと今回改めて感じました.しかも,それ相当の大きなリスクを背負っているということもよくわかりましたの で,今回の講演を聴いて私自身の社会を見るときの視線が少し修正された感覚を覚えました. 関連書籍等 政治原論 [前画面に戻る]
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