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   奥谷禮子:ポジティブに生きる [2007年2月]
                                  -講演会聴講レポート in 慶応MCC夕学五十講
今回登場したのは,株式会社ザ・アールの代表取締役社長の奥谷禮子氏.
女性を中心とした人材派遣や人材活用コンサルティングに携わる会社で,ハケンというものがまだほとんど無かった時代に取り組みはじめた会社の社長です.

とくに女性が社会で「まじめに働く」ことが一般的に受け入れられていなかった時代に,女性の働き方を見つめ直そうと取り組んできたその半生を今回は語っていました.


JALの国際線でスチュワーデスをしていた20代.その社内体質が肌に合わず,何かを模索していた.そんなとき国際線を利用する多くの経営トップ達とのふれあいの中で,自ら会社を興してやりたい仕事をしていこうという起業精神が目覚めてくる.
29才.これまでのコネを頼りに女性だけで会社を立ち上げ,女性の人材活用を売りにする仕事に乗り出す.
しかし,当時はまだ労働基準等の規制が厳しく,働き方に多様性を認めていない時代.
派遣社員を各企業に送るという事業も,法律に抵触するとの角でいろいろと困難を経験する.

なんとか法の穴をくぐって仕事を成功させていくと,だんだんと評価されるようになってくる.
時同じくして女性の社会進出がもてはやされるようになってきて,業績が伸びてきた.
企業からの様々な要請に答えながら,その中でプログラム・スキルを改良し続けてきた.

奥谷氏は言います.
時代の流れを読むことが一番大切です.と.
それには常に好奇心をもって様々なものに関心を寄せ,問題意識を持ち,自らの感性を自らで磨き上げていくこと.
それが一番大切なのだと.

また長く企業の人材活用等に携わってきた経験から,昨今の「ホワイトカラーエグゼンプション」や,「男女共同参画社会」に対する思いがあるようで,講演の後半は長々と持論を語っていました.




講演自体は,正直なところちょっと凡庸な感じがしました.
半生を語っていたので,メッセージ性に乏しく,話の起伏も乏しく,「いきあたりばったりでうまくやったらなんとかなった」的な感じでとりつく島がない.それは話の中に良く「ラッキー」という言葉が出てきたことでもこの辺りのことを察することができる.
それなのに「どうだ!」とばかりに,ご自分の先見性を語るので正直”おいおい・・”と思わないでもなかったかな.

それともう一つ.聴講者の質問に対して,まっすぐに答えてないもが多かったのも,正直痛かったですね.


多くの有識者の講演を聴いてきたので,私自身の感性が磨かれたのか(笑),今回の講演ではちょっと気になる点が多かったですが,ポイントポイントで興味深い視点に触れることができたので,全体としてはおもしろい講演だったとは思います.

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