基調講演には(株)堀場製作所最高顧問である堀場雅夫氏が「個の時代」と題したお話をされました. 20世紀は集団の時代. 21世紀は個の時代. 閉じた社会では「肩書き」で生きていくことができる.そこには暗黙知,悪く言えば「思考停止」が存在するから. 安易なブランド志向も,閉じた社会の名残でもある. 社会がフラットになって,いろんなことがわかるようになってきた今,あたし達はそろそろ自分に自信を持つべきだと堀場氏はいいます. 堀場氏は戦争中・戦争後の生活で人間の限界を知ったといいます. 人がパニックに陥る状況は二つ. 一つは,死にたくないときに殺される恐怖を感じるとき. もう一つは,明日食べるものがないとわかったとき. それ以外は,なにがあっても大丈夫. 人間は強い.肉体的な許容量はかなり広い. 極寒の北極から酷暑の砂漠まで,くまなくヒトは住む.そんな種は他にはいない. どんな状況にもヒトは順応できる. 悲観してはいけない. おもしろ,おかしく生きよう. 仕事をしんどいものと捉える考え方は,単純作業を繰り返す肉体労働社会の名残. 仕事は本来,自分のスキルを社会に役立てるというとても面白い営みのはず. 仕事を楽しむことができたとき,楽しさが周りに伝わり,成功する. 「おもしろ,おかしく」 これは堀場製作所の社訓なのだといいます. 他にも堀場氏は,二つの言葉を大切にしているといいます. 一つは,「自今生涯」 今日,今現在に於いて全力を尽くすこと. それが未来をつくるただ一つの方法である. もう一つは,「未来は予言するものではない.自ら作るものである」 そうありたい姿を自ら作っていけばいい. 「おもしろ,おかしく」生きましょう.そう繰り返して話を閉じました. 会場は,500人弱(?)の研究者・ビジネスマン・学生で埋め尽くされていました. 幅広い聴講者層を意識してだと思いますが,講演はとても無難にまとめられていたと思います.ときおりジョークも交えながらとてもざっくばらんな雰囲気で,メッセージを伝える様は,「さすがだな」と感じました. それなのに,居眠りしているヒトがたくさんいたのが残念でしたけれども・・・. [前画面に戻る]
[前画面に戻る]