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   湖沼の富栄養化とは [1997年]

 湖沼は長時間かけて貧栄養湖から富栄養湖まで進化する。人為的な影響がなければ貧栄養湖から富栄養湖まで至る過程は、数千年から数万年を要するといわれている。ところが、平地に存在し、しかも湖沼に流入する河川が過度に汚濁されていると、人為的な原因によって進化の過程が加速され、短期間の内に富栄養状態の湖沼になる。

富栄養化といわれる湖の汚濁は、水中の窒素やリンなどの濃度が高くなり、それを栄養とする植物プランクトンが異常に増殖するために起こる。植物プランクトンが増殖すると湖水の色が変わるほどになり、湖水中の有機物含量は増大する。それを原水とする水道用水に悪臭がつく。さらに植物プランクトンは湖底に沈殿した後に分解し、水中の酸素を消費して酸欠水を生じる。この酸欠が移動すると、通過した水域の魚介類を死滅させる。霞ヶ浦ではアオコと呼ばれる緑色のプランクトンが夏季に増殖し、それによる酸欠水がコイの養殖場をおそってコイをへい死させることがしばしば起こっている。


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