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   標準活性汚泥法の原理と重要なポイント [1997年]

 曝気槽内に浮遊している好気性微生物(活性汚泥)を利用し、曝気きにより酸素を供給するとともに槽内を混合攪拌して、汚水と微生物とを十分接触させて浄化するというもので、浮遊生物法の基本的な処理法である。
 ここで処理された水は活性汚泥の混合液とともに沈殿槽に送られ、上澄水だけが放流される。
 この方式には、汚泥返送、汚泥引き抜き、バルキングの防止といった重要なポイントがある。
   返送汚泥とは、曝気槽内に浮遊している好気性微生物(活性汚泥)が沈殿槽の底部に沈殿したのち、再び曝気槽に戻し新たに処理させることをいう。
   汚泥引き抜きとは、汚泥の処理が進むと有機物の接触・吸収により活性汚泥の濃度(MLSS 濃度)が増加するので、それを適宜引き抜いてMLSS 濃度を一定に保たなければならないことである。しかしこの引き抜いた多量の余剰汚泥を処理するのに多額の費用がかかるのが問題となっている。
   沈殿槽では固体と液体が分離されるが、活性汚泥の凝集性が悪くなると沈殿しきれずに上澄水に混じって流出してしまい、処理を悪くすることがある。これをバルキングといい、これを防がなくてはならない。
 これらの操作には高度の専門知識を必要とするが、その反面、MLSS 濃度や曝気強度を適切に調節することにより、効率の良い処理が得られるので大規模な下水道の施設で良く用いられる方法である。


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