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   概要 []
目的

  泉南地域には古くからため池が数多く築造され,これらが水路と用水管理により結びついたため池群を形成している.またこの地域は,海岸沿いに鉄道・主要道路が形成され主要な都市地域が形成されており,大阪府近郊の人口増加に伴い,海岸側から内陸側へ触手を伸ばすように住宅地が広がってきている.近年の関西国際空港の建設,開港を経て,和泉山地と泉南平野の境界部に阪和自動車道国道170号バイパスが整備され,住宅地はこの境界部まで広がりつつある.この結果,農業地域と都市地域が狭い範囲に隣接し,かつ境界は入り組んだ土地利用となっており,改めて地域における都市と農村の共存の形を考える必要性が問われている.
 大阪府では,農業,農村地域の「多面的機能」が注目される以前から,ため池の洪水防災上の役割,親水機能,生物環境的価値,歴史的価値について認識しており,こうした機能を積極的に発揮するための施策・事業を実施している.今後さらにこれら多面的機能を土地改良事業の中で円滑に推進するため,その自然科学的な機能について,発現機構に即した定量的な把握と適正な評価手法を確立することは重要な課題である.
 そこで,泉南地域のため池とその受益地帯一帯をモデル地域に設定し,多面的機能のうちため池の持つ「洪水防止機能」,「気候緩和機能」の定量的把握と適正な評価手法について検討を行う.

対象地域

 本調査では,泉南地区における対象地域として,岸和田市を選定した.岸和田市は,大阪市から約20km,和歌山市から約40kmの大阪府南部和泉平野のほぼ中央に位置しており,面積は,72.07km2,東西約7.6km,南北約17.3kmの細長い地形をしている.市の東南部にそびえる葛城山(海抜857m)系から,北西部の大阪湾にかけての地域に,牛滝川,津田川の2河川が流れ,階段状に山地部,丘陵地部,平地部が広がっている.山地の一部や丘陵地には,府下有数の温州みかん,たけのこの産地を有し,丘陵地から平野にかけては,水稲,たまねぎをはじめ各種の野菜,花卉の栽培が行われ,府下を代表する農産物の山地となっている.一方,都市化・工業化も進み,臨海部に岸和田コンビナートを有し,平地部・丘陵地を中心に宅地化が著しい.その結果,市街区内にも多くの農地が残り,市街化区域内の農地の割合は府内でもトップクラスとなっている.

集中観測地域

 集中的な観測地域として,神於山土地改良区を選んだ.神於山地区は,岸和田市の標高50〜100mの丘陵地帯に位置する81.6haの畑作を中心とする農業地区である.畑作にとって気候的にもまた都市近郊としての市場性にも恵まれており,地元の営農意欲も高いところである.代表作物はなす,トマト,春菊,ブロッコリー,玉ネギなどが挙げられる. 下流端には,総貯水量110,000m3の傍示池があり,地域の灌漑用水源となっている.


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