目的
大和平野では飛鳥時代からの農業の発祥地として,稲作を中心とした農耕が行われてきた.しかし,大きな川がなく,降水量も少ないため,いたるところにため池を築き,灌漑用水を確保してきた.とくに近世では,平野部に皿池の築造が進み,井堰からの用水と,その水を貯留したため池の用水との併用による灌漑が行われてきた.現在,灌漑面積1ha以上のため池は約4,500個もあり,多くのため池の周辺は宅地化が進行し混住化してきている.
本研究では,このような背景をもつため池の有する多面的機能のうち,とくに気候緩和機能すなわち,周辺気候の緩和に果たすため池の影響について調査を行う.
対象地域
奈良県大和郡山市に位置する椎木下池を対象地域とする.椎木下池は都市近郊型農業区域に位置し,水稲作物を主とした地区で古くから農業用水としての機能を果たしている.
椎木下池概要
受益面積 49.10ha
ため池面積 1.17ha
集水面積 12.50ha
貯水量 16,500m3
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