古林 達男

 
   回農業土木学会の研修旅行で初体験の地、中国で違う文化、違う習慣、気候といった普通日本では体験する事のない様々なことを目で見、肌を持って感じることができたこと、これが私にとって一番の収穫だったと思います。そして中国内蒙古自治区河套灌区は私が現在研究テーマとしている場所でもあり大変興味を持って参加しました。現在河套灌区における塩害問題は耕作放棄という形に発展しており対策が望まれている場所です。また河套灌区は中国でも屈指の巨大灌漑地域でもあります。その灌漑システムがどのように機能し、同時にそれにまつわる問題が生じているのかにも興味がありました。実際に現地の管理局にも行き、各圃場への水分配量や、その単価なども詳しく教えていただきました。比較的水の豊富な日本に比べ、河套灌区のように広大な土地を管理するには大変な労力を要するとともに、管理区域の住民による協力なしでは成功しないと感じました。また私は日本の農業土木事業は、開発の時代が過ぎ現在は維持管理または環境保全がメインとなっていますが、中国においてはこれから開発が望まれる面が多いのではないかと思いました。その中でも特に問題だと感じたのは環境保全の立場から見た技術不足ではなかと思います。実際に灌区末端の、鳥梁素海は灌区全体の排水が集合する場所であり、視察時に自分が測定した電気伝導度は3.5(ms/cm)でした。それに比べ前日黄河上流の頭取口において測定した電気伝導度が1.3(ms/cm)と現時点ではたいして問題ではありませんが、確かに水質が悪化していることがわかりました。これは鳥梁素海が黄河水面よりも標高が低いため、ポンプによる排水しか行われていない事などが原因であると思われたのですが、現地管理局でこれからの対策が具体的に述べられず「現在のところ問題はありません」としか述べられなかったことが少し残念でした。他に問題になっている河套灌区の砂漠化の問題にしてもそうであると思いますが私は「問題が生じたから、その対策を」というのではなく、「問題を生じさせないための対策」というものが必要ではないかと感じました。
 た今回の研修旅行は、河套灌区の他に呼和浩特市の観光や草原でのパオ体験などの全日程を内蒙古農牧学院の学生さんと共に行動しました。同じ農学を専攻する同志として学生間の交流も大変うまくいき、とても有意義な研修旅行になりました。これからもこの研修旅行に参加したメンバーとは連絡を取り合い、共に学んでいきたいと思っています。
後に今回の研修旅行にあたり、我々学生の引率をしていただいた佐藤先生、中村先生をはじめ、現地の通訳兼引率をしていただいた陳さん、冀さん、農牧学院の学生さんたちに感謝したいと思います。

 
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