内蒙古自治区(内蒙古)

 中国最北端にあるモンゴル族の自治区。もとの興安・遼北・熱河・察哈爾など各省を合併して、1949年に成立、54年に綏遠省をも合併した。首都は呼和浩特。元来この地はモンゴル族の遊牧地帯で、南部では漢民族との接触が多く、1634年清朝によって征服され、日中戦中は日本の圧力のもとに蒙古連合自治政府をつくったが、中華人民共和国成立後自治区を形成した。モンゴル族の自治区だが、住民の約80%は漢民族で、モンゴル族は15%ぐらいにすぎない。
 地形は、広大な高原地帯で、東部には大興安嶺山脈が南北に走り、南部は陰山山脈が東西に延び、小さな湖が多い。西端にはホロンバイル高原が広がり、大興安嶺山脈の南東部の遼川流域は平野で、農業に適している。
 気候は、寒暑の差が激しく、ソ連との国境付近では冬季には平均零下28度にも達し、夏季には35度以上になる。また降雨は少なく(年平均約300〜400mm)、非常に乾燥し、草原と砂漠が多い。
 産業は、牧畜が主で、ヒツジやラクダを飼育し、毛・皮革などを輸出している。牧畜業の国民生活上に占める地位は大きいが、解放後は農業や、包頭の鉄鋼業を中心とする工業の発展もめざましい。包頭鉄鋼コンビナートは、鞍山・武漢と共に中国三大工業地帯の一つとなっている。石拐溝・鳥達・卓資山などに炭坑があり、包頭の鉄鋼コンビナートに石炭を供給している。
 交通は、京包線によって北京と、包蘭線(包頭-蘭州)によって西安と結ばれ、また、集寧-ウランバートル線によって外モンゴルのウランバートルやソ連のモスクワとも結ばれている。
 面積約118万平方キロ。人口1927万。10市・9盟・22県・54旗・3自治旗を管轄し、自治区政府は首都の呼和浩特市にある。


 
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