アイデアリーカットとはどんなカット?
ダイヤモンドの輝きはファセット(カットされた面)から入る光をどれだけ美しく
無駄なく反射するかで決まります。ダイヤモンドの歴史はこの輝きをどのような
カットの形で実現するかという試行錯誤の連続だったのです。
アイデアリーカットのダイヤモンドはテーブル、クラウン、パビリオンなど各部分の
角度と比率が数学的理論に基づいて厳密に規定されています。
同じ58面体カットでもカットの寸法や角度が狂うと、光がダイヤモンドの
パビリオン部分から漏れてしまい輝きが減少します。
レーザー光線の実験では、カットの悪いものはダイヤモンド内部で光の反射が
少ないのに対して、アイデアリーカットでは、入射光のほとんどを反射して
最大の輝きを放つのがはっきりと分かります。
最適にカットされたダイヤモンドの輝き
パヴィリオンが深すぎるダイヤモンドの輝き
クラウンが薄すぎるダイヤモンドの輝き
アイデアリーカットは、いわば贅肉のないダイヤモンドで、その比類のない
輝きも相まって同じ重量(カラット)の一般のダイヤモンドよりも大きく見える
わけです。
またプロポーションと共にフィニッシュ、特にポリッシュも重要な要素です。
表面を磨く仕上げの良否は、輝きにはっきりと差が出てしまいます。
顕微鏡写真を見ると、より微細なダイヤモンドパウダーを使って研磨する
ラザール・キャプラン・ダイヤモンドの表面の滑らかさが確認できます。
プロポーション、シンメトリーが最高のダイヤモンドの輝き
光を最高度に反射させるこのアイデアリーカットは1919年に数学者
マルセル・トルコフスキーにより、数学的に証明されたたもので、この理論を
実践してダイヤモンド最大の輝きを実現されたのが、ラザール・キャプラン翁
だったのです。
1936年、あらゆる保険会社が引き受けを拒否した原石重量726カラットにもなる
「ヨンカー・ダイヤモンド」のカットに成功したラザール・キャプランは、
この難しい作業を成し遂げた業績から、「ミスター・ダイヤモンド」と呼ばれる
ようになりました。
キャプラン翁が示したカットへの情熱は、そのままラザール・キャプラン社に
受け継がれ、ダイヤモンド鑑定の基準を定めたG.I.A.(米国宝石学会)の
基礎作りにも大きな役割を果たしてきました。
一方ダイヤモンド・カッティング会社としては唯一米国ニューヨーク証券
取引所に上場し、現在アメリカにおけるダイヤモンド関連企業としては
最大規模に育っています。
ラザール・キャプラン社では、0.18カラット以上のダイヤモンドにレーザー
ビームで「LKマーク」と「IDナンバー」を刻印しています。
このIDに用いられるナンバーはラザール・キャプラン社により、ダイヤモンド
一つ一つに付与され、アイデアリーカットであることと同時に所有者の証明
となります。