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ナッシュ・カスタム製作レポート

ナッシュ・カスタム

この度、ナッシュ・カスタムを製作するにあたり、まず初めに申し上げたいのは、こういった本格的なカスタムを製作するのは、今回が全くの初めてであります。カスタムの技術も無ければ、専門の道具もございません。図面や正確なスケール等もございませんでしたが、ちょっとした技術や勇気により見事成功致しました。

その成功までの過程や、苦労等をまとめましたので、これからカスタムを専門の業者に頼もうと思っている方や、愛銃をさらに愛着ある物にしたいと思っている方は、ぜひこれを読んで、「自分の手」でカスタムに挑戦してみようと思っていただけるきっかけになれば幸いです。


<使用した道具の紹介>

道具 道具


<用意する物>


ナッシュ・カスタム

<製作過程>

  1. まず、ベースになる銃のスライドを、約3センチカットした。
    カットする部分に、紙を巻いて正確な線を鉛筆でつけてから、線より2ミリほど前を、金ノコギリで切った。

  2. 切った時の曲がりを修正しながら、線の部分まで平らになるように釘ヤスリで削った。
    このとき、一気に削らず、ちょっとずつ削り具合を見ながら気をつけて削る。線を越えてしまったり、予想に反して斜めになったりしてしまうからだ。

  3. 線まで正確に削れたら、今度はセラミックヤスリでザラザラ感が無くなるまで軽く削った。
    大体削れたと思ったら、次は耐水サンドペーパーに水をつけ、つるつるになるまで削る。このときも削り過ぎと傾きに注意しながら削る必要がある。

  4. 削り終わったら、スライドについた削りかすをきれいに取り除いた。
    細かい部分に入り込み、ブローバック等に支障をきたしてしまうので、完全に取り除く必要がある。

  5. 次にバレルをカットした。WAガバの場合、インナーとアウターが独立しているが、今回のカスタムの場合、両方カットすることにした。
    いったんスライドにバレル等を組み込み、組み立ててからカットする線を決めた。アウターはスライド先端より約1センチ長めに、インナーはスライド先端と同じ位のところに油性マジックで線をつけた。バレルカット時には、アウターとインナーを別々にしてから、それぞれを卓上用万力でしっかりと固定して金ノコギリで切ると、正確に切ることが出来た。切るときは、スライド・カットと同様、約1ミリの余裕を見て切った。

    ナッシュ・カスタム

  6. 切り口をスライドと同じ容量で削っていった。インナーの中に鉄粉が入らないように、少し削ったら鉄粉を取り除き、また削るという作業を繰り返した。
    又、インナーの切り口の内側に出たバリをセラミックヤスリで取り除いた。

  7. インナーとアウターの間には、少し隙間があり、インナーバレルにはその隙間によるインナーバレルのぐらつきをなくすドーナツ型のプラスチック製のリングがついていたが、バレルカットしてしまうと、そのリングはカットした部分と一緒に取れてしまうため、カット後に取り外し、少しリングの内側を削って内輪を広げ、使用するカットバレルの先端にエポキシ系接着剤で取りつけ、その後アウターバレルを取りつけた。

  8. スライドのリコイルスプリングプラグ取りつけ穴に、コマンダー用のカラードプラグを取りつけた。
    このとき、カラードプラグが少し窮屈で、強く押し込むと取りつけ穴がほんの少しだけ広がり、スライドを引くとフレーム部内側とこすれてしまうので、プラグの穴の内側をヤスリで、又は外側の出っ張りの部分をカッターか彫刻刀で削ると良い。(図1を参照)
    図1

     
  9. バレル、リコイル・スプリング類(ナッシュ・コンプに同封されているリコイルスプリングガイドはモデルガン用なので、カラードプラグ同様あらかじめWA製の"ロング・リコイルスプリングガイド"を用意しておく。)を全て組み込み、アウターバレルの緩みなどが無いかをチェックした。
    コンプを着けるともう取り外しが出来ないと思わなければならないからだ。又、リコイル・スプリングは約2センチ短くしなければならない。組み込んだ後、銃を組み立て、作動チェックをした。問題が無かったのでコンプ取り付けに移った。

  10. ナッシュ・コンプの箱に同封されているテーパード・アウターバレルは、そのままではスライドとこすれて窮屈なので、外側の部分を削る必要があった。
    釘ヤスリで少し削り、その後セラミックヤスリ、サンドペーパーをかけて表面を滑らかにした。(図2を参照)
    図2  
     
    図2:赤い部分を削った。

  11. ナッシュ・コンプのマニュアルに「エポキシ系の接着剤で固定」と書いてあったので、コニシボンドの2液混合型「QUICK」という強力接着剤を使用した。
    接着剤をアウターバレル表面と、コンプのテーパード・アウターバレル内側に割り箸で薄く塗り、銃にスライドストップをかけ、バレルに装着した。この接着剤は非常に乾くのが早く、とても強力なので、すぐに調整する必要があった。スライドを戻し、コンプとスライドの隙間や位置を調整したら、再びスライドストップをかけて乾かした。

  12. 約半日乾かし、完全接着し終わった後、Rサイトと、可変ホップの調整をした後、続いてグリップの交換をした。
    ラバーグリップはそのままでは着けられなかったので、アンビ・セイフティの部分の窪みと、マガジンウェルのアーム部分の窪みを、彫刻刀を使って削り取りつけた。


<苦労した点>

ナッシュ・カスタム


<その他>


<最後に>

ナッシュ・カスタム
 
今回のカスタムは、一見難しそうにも思えますが、実は素人でも市販の道具だけで十分にカスタムが可能であるという事実を証明することが出来ました。
もちろん、もっと複雑なカスタムの場合を除きますが、この程度のカスタムなら、問題ありません。カスタムを自分でなし得た後の愛着感は、今までとは比べ物になりません。もう一生肌身はなしたくないという気持ちにさえさせてくれます。

カスタムを専門業者に頼み、高いお金を払う必要はありません。トイガンをたしなんでいる方なら十分にカスタムが出来ます。今回その証明が出来たと思っています。
これからカスタムを頼もうと思っている方、もう一度考えてみてください。きっと自分でも出来る程度の物があると思います。

今の銃に愛着が薄れた方、ほんの少しのカスタムでも、愛着は全く変わってきます。失敗を恐れず、逆に失敗を転機にして、自由なカスタムを皆さんも楽しんでみてはいかがでしょうか。きっと素晴らしい物が出来あがるはずです。もちろん、そのためのお買い物は「Club−Michille」で!

<おまけ>

ウィルソン・カスタム
カスタム前の原型ウィルソンです。
マガジンキャッチとトリガーは、普通のWAガバのものを取りつけました。
シルバーフレームと黒いキャッチとトリガーがなんとなくマッチしている感じです。

マガジン  
 
このマガジンについているマグ・バンパーは、Club−Michille掲示板にいらっしゃる皆様から薦められて作ったオリジナルのバンパーです。

ボール紙を何層にも重ね、黒の布テープでコーティングし、強力両面テープで取りつけました。

「ナッシュ・カスタム」製作レポート 完

 


文責:アクセル

mail to:harleking.inaba@nifty.ne.jp

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