TOMAR
トマール
<旅のメモ>

2003.10.1

 朝オビドスを出発し、ナザレ、アルコバサ、バターリャ、ファティマと巡り、夕方6時頃に今夜の宿泊地トマールに到着しました。ちょうど退勤時間で市内は混雑しており、ホテル探しにも手間がかかります。目指すホテルは市内中心を流れるナバオン川(Rio Banao)の中州にあるモウシャン公園(Parque do Mouchao)の中にあり、モウシャン公園も見つけたのですが、車で近づくことが出来ません。結局、ナバオン河岸の公園に路上駐車し、歩行者用の華奢な橋を渡って中州に上がり、ホテルを探しました。公園の奥にレストランはあるのですが、ホテルらしき看板や名前は見あたりません。レストランの入口に入ってみたら、小さなデスクがあり、部屋の鍵らしきものが並んでいます。そこでやっとここがお目当てのホテルであることが分かりました。公園との間には何ら壁も、塀も、柵もありません。1階の出入り口とレストランの外側はそのまま公園です。全てがホテルの庭、あるいはホテルが公園の公共設備みたいな感じです。

 薄暗いフロントには高校生のように若い従業員。あまり愛想がないけれど、ポルトガル語で挨拶したらちょっとだけ微笑みました。車が近づけないこと、30kgくらいある大きなスーツケースがあることを告げると、彼女は更にその子の弟くらいの若い男の子を呼び出し、手押し車で荷物運びを手伝うように指示します。男の子も無愛想で、ニコリともせずに黙々と手押し車を走らせます。歩行者用の橋の階段を上り下りする様子から、どうやらこの手の荷運びは慣れているらしいことが伺えます。往復10分間程で荷物を2階の部屋にまで持ち込みました。ホテルは古い館を改造したものらしく、設備は古いがどっしりとしていて落ち着きがあり、私達夫婦は好みのタイプです。全部で15室程度ですが、今日は3〜4組しか客が入っていないようです。

Estalagem de Santa Iria (★★★★)
Mouchao Parque, Tomar
Tel: +351-249-313-326/ Fax: 249-321-082
EURO67 (BF&TAX incl.) by FAX

 一休みしてから、夕食の場所を探しに出かけます。静かな公園の中を通り、橋を渡って旧市街へと向かいます。ガイドブックを見て、お目当ての店を2件に絞っていました。1軒目はナバオン川にかかるヴェーリャ橋(Ponte Velha)のたもとにあるレストラン Bela Vista。感じの良さそうなお店でしたが、あまりにも目立つ場所にあり、観光ズレしていると嫌なので、もう一軒の方へと向かいました。運河沿いの暗い道から更に暗い奥へと入りますが、治安は問題ないようです。人通りも少ない通りにひっそりとありました。誰も客はいなくて寂しかったのですが、入ってみることにしました。オーナーらしきおじさんが相手をしてくれます。一見無愛想なのですが、実はシャイなだけであることがだんだんと分かってきます。やがて奥さんと従業員らしき人達がお店に入ってきました。ご主人は英語のメニューを持て来てくれたけど、ガイドブックには料理はポルトガル語で書いてあるので敢えてポルトガル語のメニューを頼むと、彼は気を良くしたみたいでした。
 食事中、ガイドブックを広げてご主人に”日本のガイドブックに紹介されているんだよ。”と教えて上げたのですが、彼は何事も無かったように一旦厨房の方に戻り、再び我々のテーブルにやってきて恥ずかしそうに”さっきのガイドブック、ちょっと貸してくれないか?”と聞きます。もちろん!と答えてページを開いて彼に渡すとササッと持ち去り、しばらくして再び恥ずかしそうに本を返しに来るのでした。ガイドブックに記事を載せる時は、必ずしもお店の了解を取ってからというわけではないようですね。料理は素朴で、我々の抱いていた田舎のポルトガル料理に一致するイメージでした。

Restaurante Casinha D'Avo Bia
Rua Dr. Joaquim Jacinto, 16
Tel: +351-249-323-828
 -Vinho (Tomar産ワイン)、Agua Mineral(硬水)
 -Pao(パン)
 -海老の塩ゆでレモン添え
 -Porco a Alentejana(豚肉とアサリの炒めもの)、Lulas Grelhadas(イカ焼き)
 -Gelado Caseiro(自家製ジェラート)、Pudim Fran(焼きプリン)
 -Cafe
 *合計EURO27.70(2名)

 帰り道は町のメインストリートであるセルパ・ピント通り(Rua Serpa Pinto)に一旦出て、ウインドウショッピングしながらモウシャン公園へと向かいました。公園内はオレンジ色の照明が美しく映えていました。

2003.10.2

 ゆっくりと朝食を済ませ、今日は午後2時頃までトマール市内を散歩し、それからコニンブリガへドライヴする予定です。

 まずはナバオン川の東側に渡り、レストランBela Vistaの前を通ってヴェーリャ橋にたどり着きました。ここに子供とそのおじいさんでしょうか?二人連れが袋一杯のパンくずを抱えてやって来ました。何するのかな?って見ていたら、袋のパンくずをドバッと川に投げ入れます。すると川にいた白鳥、ガチョウ、鴨みたいな連中がいっぱい集まって来て大騒ぎ。見守る我々の視線にはにかみながらもパンくずを放り続けます。幸せそうな光景でした。
 ヴェーリャ橋を渡り、
昨夜通ったセルパ・ピント通りを眺めながら、レプブリカ広場(Praca da Republica)へと出ます。中央にはテンプル騎士団長の像、東にはサン・ジョアン・バブティスト教会、西には市庁舎が建ちます。やたらと鳩が多いのが印象的でした。
 市長舎の背後からキリスト修道院(Convento de Cristo)へと徒歩で登りました。ここは12世紀のレコンキスタ(国土回復)にてこの地を得たテンプル騎士団が建てたポルトガル最大のシトー派修道院です。UNESCO世界遺産にも登録されています。修道院の外観の縁にはおどろおどろしい彫刻が施されているのですが、これが苔むして黒く変色しており、不気味な感じです。内部には所々イスラム風の装飾を感じるのは、長い間イスラム教徒の支配を受けていたからでしょうか。本当に大きくて、見学にはかなり時間がかかります。
 再び旧市街へと下る途中、ノッサ・セニョーラ・ダ・コンセイサオン礼拝堂(Capela de N. S. da Conceicao)が坂の中腹に張り出しています。
 旧市街ではまず、ツーリスト・オフィス前のエンリケ航海王子の像の建つ広場へ向かい、その奥の
セテ・モンテス国立森林公園(Mata Nacional dos Sete Montes)をちょっとだけ散歩。その後、ツーリスト・オフィスに寄って町の地図と見所のリストを貰いました。オフィスの男性はとても親切で、日本人であることを告げると丁寧にこの町の見所を説明してくれました。
 町中のカフェで軽い昼食を取り、
15世紀のユダヤ教会・シナゴーガ(Sinagoga)を訪れました。中の案内の女性がこれまた親切で、トマールでのユダヤ教徒の歴史を丁寧に説明してくれます。

 一旦ホテルへと戻り、車を出してコニンブリガのローマ遺跡を見に出かけました。

 夕方、コニンブリガから戻り、ホテルで一休みしてから夕食です。今夜もかなり地元っぽい感じのレストラン。ここでパンと一緒に出てきた鰯のパテ、これは日本人の口に良く合うと思います。鰯の味はするのだけど、決して生臭くない。すっかりファンになり、後日、スーパーで買い込んでしまいました。

Restaurante A Brazinha
Rua dos Arcos, 55
Tel: +351-249-313-020
 -Vinho Tinto "Canal Sette"(Tomar産の赤ワイン)、Agua Mineral(硬水)
 -Pao(パン)、硬い山羊チーズ、鰯のパテ
 -羊肉の炭焼き、干ダラのフリッター (付け合わせは馬鈴薯、野菜、米)
 -Cafe
 *合計EURO27.00(2名)

2003.10.3

 今日は長距離ドライヴの一日。でも、朝、のんびりし過ぎて出発が遅れ、さらにトマールを出たばかりの道で方向を間違え、同じ所を30分以上行ったり来たり。ようやく予定の道路に乗った後は、予定外に高速道路が整備されており、結果的には予定通り午前中には次の目的地モンサントに到着できました。 


レプブリカ広場とサン・ジョアン・バブティスト教会<tomar-l05>


セルパ・ピント通り<tomar-l02>


ナバオン川と白い街並み<tomar-l06>


ナバオン川<tomar-l01>


レストラン、カジーニャ・ダヴォー・ビーア<tomar-l06>


ノッセ・セニョーラ・コンセイサオン礼拝堂<tomar-l06>


キリスト教修道院のファサード<tomar-l04>

キリスト教修道院の背後<tomar-l03>

修道院内の廊下。両脇は元修道士達の部屋<tomar-l08>

ジョアン3世の回廊<tomar-l07>