秋の京都散策

〜2000年11月24日,京都嵐山へ行ってきました〜


 前々から一度行ってみたかった場所の一つに京都嵐山があります。何故行きたかったのか・・・,確固たる理由なんてありませんけどね。どんなところか見てみたかったし,何か“静か”ってイメージがあるんで,その落ち着いた静寂さを味わいに行こうかと。これは後になって知ったんですが,嵐山の紅葉は格別であるらしい。ということでそれじゃ紅葉の季節に行ってみようかと思い,この時期に行ったんです。

 京都とは行っても市街地の中にあるわけでなく,少しというかかなりというか外れたところにあるんで,勿論歩いては行けず電車を利用することになります。嵐山には何本か路線があるんですが,行きは阪急を使いました。京都から行くと途中の桂ってとこで嵐山に向かう路線に乗り換えるんですけど,その乗り換えでびっくり。なんすか,滅茶苦茶人が多いじゃありませんか! 嵐山へ行く電車は通勤ラッシュ並の混雑。うげー,静かな嵐山を想像してたのにぃ〜。こりゃ大にぎわいの嵐山になること間違いなさそうです。

 案の定,嵐山の駅に到着したら人・人・人。まぁ,初めての場所ですけど,人の列についていけば道に迷わないんでいいんですけどね。その列に入って一緒に進んでいくこと数分くらいでしょうか,目の前に川が見えてきました。大堰川(おおいがわ)だそうな。河口付近ではないんで広くは無いと思ったんですが,ここの部分だけ広がっているようです。流れは穏やかでカモも泳いでいてのどかな雰囲気でしたねー。その河岸にたどり着いて上流を見ると・・・,ありましたありましたあの渡月橋が。長〜い木橋でゆっくり情緒を味わいながら渡ろうか・・・と思いきや,何か様子が違います。なんと車も渡っているんですねー。おまけにすごい人! おおー,やっぱり超有名観光スポットでしたか >渡月橋

見えてきました渡月橋

げっ,すごい人と車

 一応,普通の橋と同じように真ん中に車道,両端に歩道が設けられていましたが,どちらもかなりの混雑でした。うぅぅ,こんなんじゃ情緒もへったくれもあったもんじゃない・・・。渡月橋から更に上流に目をやると,渡し船やカップルの手こぎボートが浮いていました。

 橋を渡り終わると,そこから先は完全に観光地。おみやげ物屋やら美空ひばりだの何とかショップだのってびっしり道の両サイドに並んでおりましたな。その中でふと入り込んだのが桜餅の店。周知のことと思いますが,私は大の和菓子嫌いでありまして,特にアンコ系が駄目なんですよー。でも最近は味覚も大分変わって,あんまんなんかはそんなに嫌悪感無く食べられるようになりましたけどね。それでも大好きって訳じゃありませんでした。そこの桜餅屋さん,普通のあんこ入り桜餅に加え,あんこ無しの桜餅も売っていたんです。余り乗り気じゃなかったんですけど,あんこが入っていないんならと,買ってみました。ニッキみたいな味がしましたねー。やっぱりあんこは無くとも甘いのは甘かった・・・。そしたら直ぐ目の前に今度は行列ができている店を見つけました。何じゃろかと思って覗くと,そこはコロッケ屋さん。手作りコロッケだそうな。特に店の名前も聞いたこと無いし,何で行列が出来ているのかも分からないし,でも,行列が出来ているんだったら美味いんだろうなぁ〜・・・,ということでウチらも列にならんで買っちゃいました。コロッケを頬張りながら更に道を進みます。

 次に見えてきたのが天竜寺です。こちらもすごい人なんですけど,紅葉がめちゃ綺麗だったんで思わず吸い込まれるように境内へ。今が丁度見頃なんじゃないかな,と思われるような綺麗な紅葉でした。赤系が多かったんですが,日差しに映えてまぶしかったなぁ。

赤と青のバランスが絶妙ですな

まさに紅葉!てな色合いです

 あっちこっちでカメラを向けている姿を見ました。やっぱり最近はデジカメが随分普及しているんですね。ファインダーじゃなく液晶画面を見ながらシャッターを切っている人が目立ちました。勿論,私もその中の一人。

 それにしても,あまりの紅葉の綺麗さに,ここがお寺であることを忘れてしまいますね。歩いているうちにお寺の本堂が見えてきて「あー,ここはお寺だったんだな」って,失礼すぎますね。

 さて,天竜寺を後にして,次は大覚寺へ向かいました。その間,散歩がてら嵯峨野の遊歩道経由で。人力車が多いですねぇ。貴重な観光収入源なんでしょうなぁ。まぁ,人力車はまだしもタクシーがまた多いこと,しかも狭い遊歩道に平気でクラクション鳴らしながら通るもんですから,歩きにくいったらもう。タクシー使わずに歩いて欲しいもんですね〜。この辺は竹林が多いんです。普通の林と違って,竹林って音を吸収するのか単なる気分的な問題なのか,静かさを感じます。ここへ来てやっと静かさに巡り会えたかな。観光客は相変わらず多いけど。もう一度シーズンオフに来ようっと。それと“ゆば”の店も多く見られます。私はてっきり南禅寺付近だけなのかと思ってたんですけど,ここにもあるってことは京都全体に店が散らばっているんでしょうかね。お正月のおせち料理で一度二度食べたことがあるような無いようなって記憶しか無いんです。ゆばってまともにそれを意識しながら食べたことはありませんね。おせちで食べたときはあまり美味しいって印象はありませんでした。もっとも,おせち自体,冬の寒い時にあの冷え切った料理を食べること自体美味いものも不味くなってしまうでしょうし。あ,私っておせち自体ほとんど食べたこと無いんですが,食べても冷え冷えのしか無いんですよ。普通は暖かいんでしたっけ? それだったら大分味も変わってくると思いますが・・・。
 とまぁ訳の分からないこと言いましたが,要は「ほんじゃ,ちゃんとしたゆばを食べてみたい〜っ」てことなんです。そこで,昼食がてらゆば料理の店に入ることにしました。お昼時ということもあって店には既に待ち客が。でもここで引き返すのもなんなんで,意を決して待つことにしました。でもそんなに待たなかったかな。メニューにはゆばづくしのセットがあったのでそれを注文。あと地酒も。ゆばって色々な食し方があるんですね。お浸しみたいなものや,お刺身みたいにわさび醤油つけて食べるものや,おすましに入れるのは良くありますよね。あと煮物みたいにしてあったり・・・等々,ゆばを堪能しました。勿論,ぐつぐつ煮込んだゆばの元?からゆばをお箸ですくって食べるのはありませんでしたけど,それもいつかやってみたいですね〜。
 アルコールも入って昼間から気持ちよくなったところで散策の続きを。大覚寺へ向かうに連れて観光客の姿もまばらになってきました。さすがにここまで歩き通して大覚寺へ向かう人は少数派なんでしょうね。良いお散歩です。

 大覚寺ってこぢんまりとしたお寺かと勝手に先入観を持っていたんですが,着いてみてかなりデカイお寺だと分かりました。お寺の前には観光バスやらタクシーやらがたくさん停まってましたっけ。拝観料もしっかり取られましたしね。そして,お寺の中へ入っていくと,この建物自体も結構広いです。いくつもの棟に別れていて,渡り廊下で繋がっているようでした。そこには中庭みたいなのがあって,やっぱりここでも紅葉は綺麗でしたねー。

紅葉の木々が繁ってました

こぢんまりとした中庭でした

お寺の雰囲気が漂ってます

 ゆばの店からずーっと歩き通しだったんで,さすがに足がくたびれましたねぇ。大覚寺の中を一周して一通り見て回ったら,出口のところでちょっと座って一休み。今まで暑いくらいだった体感温度が,休憩するに連れてだんだん寒くなって,やっぱり紅葉するくらいの季節ですからそれなりの気温であることを認識しました。
 ヨメさんはバスで帰りたかったようですが,そのまま嵯峨野駅まで歩いていきました。散歩がてらまた良い景色が見られるんじゃないかと期待していたんですけどね。でも結局当てが外れてそのまま嵯峨野駅に着いちゃいました。帰りはJRです。いやぁ〜,なかなか体力のいるコースでしたよー。というか私の体力が無さ過ぎるのかもしれませんが・・・。今度は新緑の季節にまた行ってみたいですね。竹林が綺麗だろうなぁ。

 


居間へ戻ります