冬の高山

〜2002年2月1日〜2日,岐阜県の飛騨高山へ行ってきました〜


 去年,下呂温泉へ行きましたが,そこから先は勿論未知の世界。何も冬の寒い時期に行かなくてもって話もありますが,ここはやはり冬だからこそ雪の高山を見に行きましょうということで強行したのでありました。
 大抵近場の旅行の足は自動車なんですが,雪道であることを恐れて電車で行くことに,JR高山線に「ワイドビューひだ」という特急が走っておりまして,それに乗ることにしました。あと,宿ですが,人気の観光地らしくどこもいい値段でしたねぇ〜。そんな中,インターネットで調べていたところ,1泊朝食付きで7000円台というホテルを発見。変な連れ込み旅館かと思いきや何と「アソシア高山リゾート」ではありませんか! 高山市街からはちょっと離れているところにあるんですけどね。無料送迎バスもあることだし,速攻で決めました。また,このホテルの近隣には「クア・アルプ」という温水クア施設があるようで,午後はそこで遊ぼうかなと計画しました。さすがに真冬の高山市街を半日散策するのは厳しいものがありますからね(^^;;
 特急の切符の予約も良し,ホテルの予約も良し,あとは行くだけです。

 そして,2月1日を迎えました。一宮駅を10時ちょい前に出発する「ワイドビューひだ」に乗り込みいざ出発。電車での旅行,しかも特急でのってのは一体何年ぶりでしょう。少なくとも社会人に入ってからは初めてかな(関空へ行ったときの特急「はるか」を除く)。学生時代だって後半はほとんど車ばかりでしたからねぇ〜。久々の車窓からの眺め,なかなか良かったです。
 きっとすごい雪なんだろうな〜。と予想しつつ,車窓の移り変わりを気にしていましたが,岐阜を過ぎて山間を走るようになってしばらく経てども雪なんて全然見あたりません。ちょっと半分拍子抜けしてしまいました。ま,別に雪を望んでいた訳ではありませんけどね。そして下呂に到着。しかし雪は景色を探せばちらほらとあるかな・・・程度です。この分じゃ高山もそんな雪景色では無いかなと思いつつ電車は下呂を出発。ところが,やっぱり高山は世界が違いました。高山に近づくにつれ,だんだんと景色が白くなってきて,いよいよ高山に到着って頃にはすっかり一面の銀世界状態になってました。さすがー。下呂と高山とは近いようで全然遠い間柄なのね〜。
しかし,日頃の行いが良いせいか?天気はとても良く,青空が広がっていました。吹雪だったら大変なことになっていたでしょうね。

飛騨高山の玄関口JR高山駅

 12時半に高山に到着した後,昼食は高山ラーメンと決めてきたので,市内散策を兼ねてラーメン屋さんへ向かうことに。高山はラーメン屋がめちゃ多くて,駅前にも結構店がありましたが,ガイドブックの事前情報から「やよいそば」って店が美味しいらしく,そこへ行くことにしました。駅から歩いて10分〜15分程度ですかね。市内中心を流れる宮川の川沿いにありました。こぢんまりとしたごく普通のラーメン屋さんという店構え。お昼時ということもあってか店内には結構客がおりました。カウンター席へ座り,普通のラーメンを注文。並盛りで600円だったかな。
 味付けは醤油系。驚いたのは麺で,縮れ麺でまるでカップヌードルのようでした。これは結構好き嫌いがありそうですね。細い麺なのでコシがあるかと思ったんですが,やはり“カップヌードル”の麺のようで,ちょっと唸ってしまいました。事前情報によると,ここの店は高山ラーメンの中でも美味しい方だということなんですが,私が評価するにちょいとNGでした。

 店を後にしたのが午後1時半頃。ホテルの送迎バスは毎時15分に高山駅を出発するんで,次のバスは2時15分です。それまでちょっと時間がありますので,散歩しながら高山駅へ戻ることにしました。宮川の東側添いに古い町並みが続く道があります。そこをてくてく歩きました。高山は小京都らしいですね。そんな情緒を醸し出す町並みが続きました。古い町並みって“小京都”とか“小江戸”とか言われますけど,お恥ずかしいコトながら,私はその2つの区別があまりついていなかったりします。どちらも古い瓦葺き屋根や蔵作りの建物が広がっているんですが,小江戸と言われている川越もそんな町並みだったなぁ〜。強いて違う点を挙げるとするならば,U字溝に鯉が泳いでいるか否かでしょうかねぇ(^o^;;
 その道も終点にたどり着いたところで高山駅へ向かい,送迎バスに乗ってホテルへ。

市内の中心を流れる宮川

光が雪と川面の両方に反射してました

小京都な町並み

 2時半頃に着いて,そんでは早速「クア・アルプ」へ・・・と思ったんですが,何と何と,クア・アルプは去年の年末に潰れたそうです。建物自体はありましたが,閉館となっているとのこと。ガーン! そんなの聞いてないよ〜。ホテルのホームページにでさえそんなこと一言も書かれていなかったし,バリバリ宣伝してましたし。・・・詐欺だ。
チェックインタイムは3時でしたが,2時半でもチェックイン出来ました。

 当てが外れたんで,部屋に着いてちょっと一服したところで温泉へ。岩風呂ではなくて普通の“大浴場”って感じでしたけど,まぁ結構綺麗で良かったですね。露天風呂もありました。首から上を通り過ぎる冷気と,首から下の温泉熱とのギャップがあって,何とも言えない気分の良さと言いますか,冬の露天風呂は良いですね〜と思う瞬間でした。

ホテルの部屋からの眺望

遠くは北アルプス・・・かな

 夕食はホテル内レストランの鉄板焼きを予約してました。勿論お目当ては飛騨牛です。狂牛病が騒がれている昨今ですが,私はその不安よりも焼肉食べた〜いという食欲が勝ってます。今回の旅行も美味い飛騨牛を求めて・・・の要素がかなり大きいですから。
ということで,本当は焼肉が食べたかったんですけど,鉄板焼きしかないんで,それでも良しとしましょう。鉄板焼きと言ってもいわゆる“ステーキ”のことですね。ここのレストランでの飛騨牛メニューは,サーロインかフィレの二者択一でした。お値段もそれなりにしてましたが,もう予約しちゃったからしょうがない。ここはキヨブタってことで割り切りましょう。
 私はサーロインを,ヨメさんはフィレをそれぞれ注文しました。コースになっていたんで,これらの肉はメインで,それ以外に前菜やら何やらで色々なものが出てきましたね。メインの肉はさすがでした。ステーキって言ったら「肉の万世」で食べた以来ですんで,私のステーキの基準ってのは「肉の万世」でした。ま,万世は松阪牛を使ってますんで美味しいことは美味しいです。しかし,ここのステーキは私の基準値を超えました。さすが値段だけのことはあります。大満足でした。それ以外の料理については可もなく不可もなくといったところでしょうか。
 それにしてもこのレストラン。ウチらは6時に行ったんですが,その時点で他のお客はゼロ。1時間くらいいたんですけど,その間も誰か現れる気配はなく,結局帰るときも誰もいませんでした。確か今日は満室の筈なのに・・・。皆さん外へ出ているんですね。
 部屋に戻り一服したところで,また温泉へ。こっちには人が沢山おりました。

 翌朝も温泉に浸かって,思い残すことが無くなったところでチェックアウト。やはり一泊二日は慌ただしいですね。部屋に荷物を置いたまま空白の1日があった方が良いです。
チェックアウト後,送迎バスで高山駅へ。11時半頃でした。帰りの電車は午後1時ちょい過ぎですんで,お昼を食べにまた出歩きました。今度はラーメンではなくズバリ焼肉。ホテルでは鉄板焼きでしたんで,今度は普通の焼肉を食べに歩きます。これまた事前情報で予め店を決めてました。その店は「飛騨山武牛食べ処」です。焼肉屋で私が戴けなく思っているのは,最初から肉にタレが付いていることです。このタレが曲者で,モノのよってはこのタレの味しかしないんですよね〜。ですんで,肉本来の味を楽しむんであればタレ無しで焼きたいものです。でも,なかなかそういう店が無くて無くて。そんな中,その店では産地直送の肉を,お肉屋さんで買うみたいに購入して,それを焼いて食べるというシステムでした。それに目を惹かれて今回行ってみたんです。

 高山駅から歩いて5分くらいでしょうか。商店街からはちょっと外れた場所にありました。で,早速店の中に入ってみると,ほんと,お肉屋さんみたいにパックに入った肉が店頭に並んでいます。しかし品物を見て唖然。肉が所々黒ずんでいるじゃありませんかー。何か嫌な予感がします。でも折角来たんだしとりあえず買ってみることにしました。おすすめはステーキでしたが,敢えてカルビにしました。しかしパッケージひとつひとつが大きくて,カルビも何百グラム入っているんでしょうか,出来ればもっと小分けにして貰えれば他の種類も食べられたのに。肉の代金の他,400円の場所代が必要です。その代わり野菜やデザートが無料で食べ放題になるとこのこと。肉と同じショーケースに野菜やデザート類がありましたが,新鮮さはちょっと・・・ねぇ。
 選んだカルビに「タレを付けましょうか」と言う店員を制止して,塩胡椒だけにしてもらいました。さぁそれではいざ焼きましょう! 肉厚で,カルビにしては大きくて形は良いんですが,色がねぇ〜。それに赤身と白身の模様もごく普通の肉って感じですし・・・。と,嫌な予感ばかりしてましたが,とにかく先ずは焼いて食べてみることに。さて,お味はと言いますと・・・。やはりまたまた唸ってしまいました。こんなもんなんでしょうかね。並のカルビよりかは上だと思いますが,「これは美味いっ!」というもんでもありませんでした。残念無念。

 そんで,予定通り午後1時過ぎの「ワイドビューひだ」に乗り,一宮へと帰還。一泊二日の旅はいつもながらあっという間に終わってしまいました。
“食”については当てが外れてしまいましたが,冬の高山はなかなか情緒溢れて旅行するには良いと思います。あ,勿論,天気が良ければだと思いますが・・・。 


居間へ戻ります