C555を利用した発振器を使って、音の高さからコンデンサーの電気容量を測定する実験


目的

1、原理の説明と計算で終わってしまいがちなコンデンサーの授業を生徒の興味を引き印象深い内容とするための方法を考ることとした。
2、コンデンサーの電気容量を音の高さとしてイメージ化しながら理解させていく方法を使うことで学習効果を上げる。
3、音を使った手軽な方法で電気容量を測定することで平板コンデンサーの極板の面積や間隔と電気容量の関係を定量的に求めることができるようにする。

特徴

、充放電回路を作り電圧計、電流計を用いて電気容量を測定する方法に比べて、IC555を利用した発振器を作成し電気容量を音の高さに置き換えることで特別な測定器やテクニックがなくても音の高低の比較から正確に平板コンデンサーの極板の面積や間隔と電気容量の関係、合成実験を行える。
、高校における平板コンデンサーの実験では静電気による箔検電気の箔の変化を観察する方法などが上げられているが、静電気を利用するにはかなり条件的な制約があるとともに定量的な比較ができなかったが本実験においては場所や条件に関わりなく定量的な電気容量をもとめることが可能となる。
、従来の実験では大容量コンデンサーを利用して行う実験が中心であり生徒達にとって特殊なコンデンサーでの実験といったイメージがあったが、本実験は一般の装置に利用される小容量コンデンサーで実験が可能であることから生徒達にとっても身近なイメージを持たせることができる。

内容

実験装置の概要と回路図

、IC555のマルチバイブレーター機能を利用した発振器を作成する。
IC555はコンデンサーと抵抗の値によって発生する矩形波の振動数が 変わるので
抵抗を一定にコデンサーを入れ替えることで発生す る音の高さが変化することになる。
、回路図は図1となっている。実験装置の実物は写真1である

図1





             この回路ではいろいろな電気容量のコンデンサーを測定できるように
          抵 抗の値をディープスイッチを使って切り替えることができるよう
にしある。また出力信号を取り出す外部端子を
用意して他の装置の接続 を可能にしてある。
*555の解説
、発振器からの音の振動数は
f=1.44/(C×(RA+2RB))
で表されるので、電気容量の式に変換して
C=1.44/(f×(RA+2RB))−−−−式(1)
この関係式から振動数の逆数と電気容量が比例することがわかる。
音の高さにより電気容量を知ることができ、音が高くなると電気容量が少なくなり、
低くなると電気容量が多くなることがわかる。
また、1)の式から発振器の振動数が分かれば電気容量を求めることができる
ことになる。
4、振動数を知る方法としては低周波発振器な調べる方法もあるが、今回の実験では一定の音程が維持できる楽器を使い、発振器と同じ音を見つけるようにすることで手軽に測定できる方法を採用した。
実験方法

    

実験1、平板コンデンサーの面積や隙間と電気容量の関係


( 実験用平板コンデンサー装置)

      a,(平板コンデンサー電極下)
30×20cmのアルミ板の下側中央に極板スライド時の極板の
ブレ を防ぐために10×10cmの工作紙を張り付け、OHP用紙を引く。

b,OHP用紙の中央より約3cm離れたところにガイド用の割り箸
       を図のようなに取り付ける
c,(平板コンデンサー極板の上)

5×15cmのステンレス板中央に0.5Kgの金属板移動時の重り を張り付け、上部に10cm
      の長さのガラス棒取り付る。平板コンデ ンサー極板を移動する際にはこのガラス棒を利用る。

極板下のO HP用紙に乗せる。

d,2つの金属板から端子を取り、発振器のコンデンサー端子に接続する
(実験の準備)
a,キーボードなど一定の音を持続的に発生する楽器を用意する
b,発振器のデーイップスイッチのスピーカーS7をONにして
ちょうど良い音域になるようにS1からS5にいずれかをON                  
にする。
c,キーボードで発振器と似た音を出し、発振器の音と同じ音を探す。

    d,授業多少の音程のずれは平板コンデンサーの長さを変更することで行う
      この時のステンレス板の極板のを測定して極板面積を求める。このデーターと
      理論的な比較をする
     平板コンデンサーの面積が9.4×5=47cm2で、極板の隙間は0.11mm

ポリエチレン(比誘電率約2として計算)を挟んだとき、発振器はS 4利用(RA=10K,RB=1.5M)
測定果で発信音はE1(659.26Hz)となる。                               

実験データーからの計算(式1より)
C=1.44/659.26×(0.01+2×1.5)×106=726pF
理論計算からの計算(平板コンデンサーの式より)

               C= 2×8.9×10−12×0.0047m2/1.1×10−4m=760pF

理論式と実験値がほぼ一致することがわかる。
(面積を2倍にして電気容量の変化を確認する)
同じ大きさのステンレス板を横に添え、ゴムの付いた棒等で
押しつけ面積を2倍にする。この時の音と合う音をキーボードで
探す。授業中の測定結果を表1に示す。
表1 S4利用(RA=10K,RB=1.5M)
面積 cm2 音の高さ(Hz) 電気容量
極板1枚 9.4×5=47 E1(659.26) 726PF
極板2枚 9.4×10=94 E (329.63) 1451PF
オクターブ下の音の所が合うことから面積と電気容量が比例することが分かる

(面積と電気容量の関係を細かく測定する)

@キーボードの音の高さを半音ずつ上げて、音程の合う位置に合わせ

長さを測定する。この操作を10回ほど繰り返す

A @で求めた長さから面積と音程の振動数(理科年表参照)を表に

書かせ、振動数と電気容量の関係の式(1)から電気容量を求めと
面積 の関係のグラフを書かせる。授業中のデーターを表2に示す。

表2 RA=10K,RB=1.5M利用
面積cm2 音の高かさ (Hz) 電気容量
1 9.4×5=47 E1(659.26) 726pF
2 9.0×5=45 F1(698.46) 685pF
3 8.6×5=43 #F1(739.99) 647pF
4 8.0×5=40 G1(783.99) 610pF
5 7.2×5=36 #G1(830.61) 576pF
6 7.0×5=35 A1(880.00) 544pF
7 6.7×5=33.5 #A1(932.33) 513pF
8 6.4×5=32 B1(987.77) 484pF
9 6.3×5=31.5 C2(1046.5) 457pF
表2の関係から電気容量と面積に比例の関係があることがわかる

(隙間を2倍にして電気容量の変化を確認する)

準備のe後、OHPシートをもう一枚差し込みキーボードの音
と合わせる。授業中の実験データーを表3に示す
表3 RA=10K,RB=1.5M利用
面積 cm2 音の高さ (Hz) 電気容量
極板1枚 9.4×5=47 E1(659.26) 726pF
極板2枚 9.4×5=47 E2(1318.5) 363pF
オクターブ上の音が合うことから隙間と電気容量が反比例することがわかる

実験2、(平板コンデンサーにおける誘電体の効果)


誘導体を差し込みながら変化を確認する。
@30cm×30cmの金属板を用意し、発振器のコンデンサー端子の1端に接続する。割箸を2本用意し4cm程度離して平行におく。
Aステンレス板(5cm×15cm)を割り箸の上に置き、@・Aの金属 板を発振器のコンデ
ンサー端子に接続してディープスイッチS5・S7 のみONする。
Bスイッチを入れ音を出す。
C音を出しながら、金属の隙間に紙を差し込んで音の変化を聞く
授業でのデーターを表4に書く
表4 RA=10K,RB=7.11M利用
空気だけの状態 E2 (1318.5Hz) 8pF
紙を挿入したとき E1 (659.26Hz) 15pF
D音が低くなることから電気容量が増加していくことがわかる

(誘導体による電気容量の違いを確認する)

@30cm×30cmの金属板を用意し、発振器のコンデンサー端子の1端に接続する。
A金属板上にほぼ同じ厚さで同じ大きさの紙、OHPシート(ポリエチレ ン)、ビニール袋(ポリ塩化ビニル)を置く


B5cm×15cmのステンレス板をそれぞれに乗せながら合う音を測定 すると、音の変化が確認できることから誘導体によって電気容量が変化することを調べる。

実験3、コンデンサーの合成


(実験準備)
@ コンデンサー端子に0.01μFから0.001μFのコンデンサー を接続する。
A キーボードなど一定の音を持続的に発生する楽器を用意する
B ディープスイッチS6,S7にして発振器のスイッチを入れる。
C キーボードで発振器からの音におおよそ合う音をだし、発振器
の調節用つまみで正確に音合わせを行う

(並列接続)

実験準備@と同じコンデンサーを並列に接続したものを発振器
のコンデンサー端子にセットして、キーボードで音合わせを行
い発生した音を確認する。オクターブ下の音となることから、
合成電気容量が2倍になったことを知ることができる。表5

(直列接続)

実験準備@と同じコンデンサーを直列に接続して発振器のコンデンサー端子に
接続し並列接続と同じこをおこない発振器からの音を確認する。         

オクターブ上の音となることから電気容量 が1/2となることを知ることができる       

表5 授業での実験データー *音の高さのみで判断させる

容量
0.022μF
並列(0.044μF) オクターブ下のC
直列(0.011μF) #C1

音程に関する標記方法は理科年表の 記述にしたがった

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