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Memo
- 稲−水田あれこれ
[2008年01月]
○水田にまつわる豆知識や基本的事項のメモ
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耕起・砕土
耕起・砕土の作用:
土の中に空気を入れて微生物の活動を促し,有機物の分解を早める
適度の水分を保つように土の物理的性質を整える
堆肥,刈り株,雑草とその種子を埋め込み,圃場を清潔にする などの働きがある.
水田は,
耕土
(作土または表土)の下に
すき床
があり,その下に
心土
がある.水田の耕起では,すき床を壊さない範囲で,耕土をなるべく深く耕すことが大切.
耕起の時期はできれば秋がよい.乾田では
乾土効果
を期待することができ,多年生雑草をおさえる効果もある.
耕土:
毎年耕されている部分で,堆肥や稲の根などの有機物が多く,そのため土は黒い色をしている.
すき床:
トラクタや耕耘機の重さで押し固められた部分で,水をたたえる役割をしている.
心土:
有機物が少ないため,褐色か灰色をしている.
乾土効果:
土を乾燥させることによって,好気性微生物が繁殖して有機物の分解が進み,無機態の窒素が生成され,作物に吸収されやすくなる現象.
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代掻き
耕起・砕土を終えた水田は,水を張って1〜2回代掻きを行う.
これは砕土と均平をかねている.
漏水を防ぎ,耕土の状態と肥料の分布を均一にして,雑草の発生を抑えるなどの効果がある.
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湛水下の水田の特徴
湛水状態の水田の土は,耕耘直後は畑の土と同じような褐色をし
ていることが多い.
水を張り,苗を植え,しばらくすると表面から数mmまでは褐色をした
酸化層
,その下の耕土の大部分は青灰色の
還元層
にわかれる.
酸化層は,空気中の酸素あるいは藻類の出す酸素が運ばれるため,褐色となる.
還元層は,酸素不足の状態で,ここで水田を特徴づける様々な変化が起きる.
第1・・・
脱窒現象
窒素肥料を施すと,表層のアンモニア態の肥料は,酸化層のところで酸化されて硝酸になり,水がしみこむのといっしょに還元層へ運ばれ,そこの上層で微生物の働きにより還元されて窒素ガスになり,空気中へ逃げていく.
アンモニアは還元層の内部では安定しており,根によく吸収されるが,表層に施すと脱窒され無駄になる割合が多い.
第2・・・有害物質の発生
酸素不足の状態では,根を傷める硫化水素や有害な有機酸などが発生しやすい.
酸素を土中の内部までいきわたらせるには,中干しが効果があり,この効果を高めるには,ある程度水はけの良いことが必要である.
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関連書籍や情報源
作物栽培の基礎 農文協
memo 稲のあれこれ
memo 稲の作期と品種
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