まずは 1 wall ダンスから
最初に 1 wall ダンスを作ってみました。オリジナルのダンスは、
Thriller (for Party) by Mio Watanabe
32 count, 2 wall
これを「32 count, 1 wall」にして、シンプルに作成。
この時点では、まだ音楽に合わせて踊る機能は使わずに、無音のダンス動画です。
Thriller (ドラフト版)の設計図
音楽なしなのでとりあえずは、1カウント換算 = 16 フレーム、と設定。
ダンスの 1 セクション = 16 x 8 = 128 フレーム相当。
ダンスの 1 wall = 4 セクション = 128 x 4 = 512 フレーム相当。
Thriller (ドラフト版) - sec 1
1 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
side |
next |
side |
touch |
side |
next |
side |
touch |
L |
R |
L |
(R) |
R |
L |
R |
(L) |
| |
sec 1 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
dance |
side L |
next R |
side L |
touch (R) |
side R |
next L |
side R |
touch (L) |
flame |
08 - 16 |
24 - 32 |
40 - 48 |
56 - 64 |
72 - 80 |
88 - 96 |
104 - 112 |
120 - 128 |
cnt_ik |
(0, 0, 0) (2, 0, 0) |
(4, 0, 0) |
(4, 0, 0) (6, 0, 0) |
(8, 0, 0) |
(8, 0, 0) (6, 0, 0) |
(4, 0, 0) |
(4, 0, 0) (2, 0, 0) |
(0, 0, 0) |
L_ik |
(0, 3, 0) (4, 0, 0) |
= |
(4, 3, 0) (8, 0, 0) |
= |
= |
(4, 3, 0) (4, 0, 0) |
= |
(0, 3, 0) (0, 0, 0) |
R_ik |
= |
(4, 3, 0) (4, 0, 0) |
= |
(8, 3, 0) (8, 0, 0) |
(8, 3, 0) (4, 0, 0) |
= |
(4, 3, 0) (0, 0, 0) |
= |
上半身 |
(0, +30, 0) |
(0, 0, 0) |
(0, -30, 0) |
(0, 0, 0) |
Styling |
A1 |
sec 1 Styling |
A1 |
左腕 =(0, -70, -30) 左ひじ =(0, -25, 0)
左手首 =(0, 0, +25) 左袖 =(0, 0, +12)
|
対称 |
右腕 =(0, +70, +30) 右ひじ =(0, +25, 0)
右手首 =(0, 0, -25) 右袖 =(0, 0, -12)
|
ちょい解説です。表の見方と操作方法について。
step 1: side L
「左サイドに一歩移動の動作」、これを2つのコマ(2画面)で表現します。
まず、「フレーム操作パネル」でflame=08の時点に目盛を合わせる。
- センターボーン(cnt_ik)を選択し「情報表示入力パネル」で位値=(0, 0, 0) を入力。
- 左足IKボーン(L_ik)を選択し「情報表示入力パネル」で位値=(0, 3, 0) を入力。
- 結果として、頭と右足は移動せずに、左足を 3ピッチだけ上げた状態を表現。
次に、「フレーム操作パネル」でflame=16の時点に目盛を合わせる。
- センターボーン(cnt_ik)を選択し、位値=(2, 0, 0) を入力。
- 左足IKボーン(L_ik)を選択し、位値=(4, 0, 0) を入力。
- 結果、頭は原点から 2ピッチ左の位値に移動、左足は 4ピッチ左の位値に移動を表現。
step 2: next R
「右足を左足横に一歩移動の動作」、これも2つのコマ(2画面)で表現します。
- flame=24の時点に合わせる。
- センターボーン(cnt_ik)を選択し、cnt_ik=(4, 0, 0) を入力。
- 右足IKボーン(R_ik)を選択し、R_ik=(4, 3, 0) を入力。
- 結果、頭と右足を 4ピッチ左の位値に移動し、右足は 3ピッチだけ上げた状態。
- flame=32の時点に目盛を合わせる。
- 右足IKボーン(R_ik)を選択し、R_ik=(4, 0, 0) を入力。
- 結果、上げた右足を下ろした状態を表現。
step 3 - step 8
ほぼ同じような操作をするだけです。
上半身の動作
step 1 - step 2 - step 3 までは、
- 上半身ボーンを選択、上半身の角度=(0, +30, 0) を入力。
- 結果、上半身を左向きに 30度ひねっている状態を表現。
step 5 - step 6 - step 7 までは、
- 上半身ボーンを選択、上半身の角度=(0, -30, 0) を入力。
- 結果、上半身を右向きに 30度ひねっている状態を表現。
Styling A1
step1 から step 8 まで共通で、手のふりを表現します。
- 左右の腕、ひじ、手首、袖のボーンを選択してそれぞれの角度を入力。
- 結果、スリラーが両腕を前に突き出し、両手首をだらっと下げた状態を表現。
まとめ
Thriller (ドラフト版) - sec 1 の動作、操作法を説明しました。
ここまでの 8ステップの linedance アニメは 16コマの画像で構成されている。
そしてThriller (ドラフト版) の全体 32ステップのアニメは 64コマの画像で構成されています。
Thriller (ドラフト版) - sec 2
Thriller (ドラフト版) - sec 3
Thriller (ドラフト版) - sec 4
興味があれば more ?
Thriller (ドラフト版)の活用へ
ここで作成したドラフト版は、後に幾つかのデモダンスへと発展して行きました。
その1) Little PPAP
- 音楽に合わせて動かした最初のデモダンスです。
- 幼児向けのデモダンスにしようと思ってピコ太郎のPPAP音楽を選んでいます。
このデモダンスには、前後にちょっとおかしなフルターン回転があります。実は、
幼い少女がPCをいじくって出来たポーズなんですが、そのまま利用しただけです。
- また、MMDにはステージ撮影カメラを移動する機能があるので、使ってみました。
その2) Thriller (for Kids)
- マイケルジャクソンの「Thriller」の曲に合わせて動かしたデモダンスです。
- 32 count, 1 wall のままですが、ちょっぴりイントロの振りを追加してます。
その3) Thriller (for Party)
- 32 count, 2 wall Linedance として作られたオリジナルのダンスに対応している。
2 wall を実現するために苦労し模索した末、やっと出来上がった最初の 2 wall の
デモダンスなのです。これついては別途解説する予定です。
coffee break
ここで紹介した「設計図」は、ラインダンスのステップシートから発展させて作った
オリジナルなシートなので、MMD雑誌には載っていませんのでご承知おき下さい。
なお、Linedanceでは 4 wall、2 wall など wall を変えながら踊るのが基本ですが、MMDでは、舞台で踊る1 wall ダンスを基本にしているのじゃないかな?と疑い
たくなる。
「作ったダンスを方向を変えて踊る」という機能がMMDにはない。
いや見つからない、あるのかもしれないけれど...
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