要約「10% HUMAN」


エピローグ (p313 - 318)

エピローグ

 - 筆者の体験
 - 食生活の改善
 - 母親になる



筆者の体験

筆者の体験
ロンドンで生物学の博士号を持つサイエンスライター。 2005年、22才で生物学の研究者としてマレーシアの奥地でコウモリの採取中、 ダニ媒介型の感染症にかかった。ロンドンの専門医から治療を受けて、 大量の抗生物質を長期に投与された。
その後、数年間まともな暮らしができないほど、別の不具合に苦しめられた。 そこから抜け出せたのは、専門家による正確な診断と、原因を退治する不屈な精神であった。自分自身とその中にいる微生物についての探求に乗り出して行き、次第に、新しい視野で生き物の存在と共存のことを考えるようになった。


食生活の改善

食生活の改善
自分は、前から痩せ形の体型で、健康的な食事をしている方だと思っていた。 意識して野菜を多く食べたこともなく、食物繊維をほとんど摂っていなかったのだ。でも今は食べ物を違う目で見るようになった。 自分の細胞のためだけではなく、微生物の細胞のために食べるのだ、と考えるようになった。 それほど大きな食生活を変えてわけではなく、ただ食物繊維を増やすようにした。
朝食: 保存料と砂糖が入った加工食品のシリアルをやめ、押しオート麦と小麦と大麦にナッツ、種子、生のベリーを盛った手製のシリアルを用意し、無糖の天然ジュースとミルクを添えて食べている。 美味しいし、安価、微生物の友人たちのごちそうになる。
週末: これまでどおりこってりとした料理を食べるが、豆類の副菜とマッシュルームを必ず付けるようにしている。 白米は玄米に替えた。パスタの代わりに時々レンズ豆を使うようになった。 ふわふわの白いパンは、たまに木の実入りの固いライ麦パンに替えてみる。
昼食: 何を食べようと、冷凍のグリンピースかホウレンソウを一皿、電子レンジでさっと解凍して付け足している。
改善の結果
計算によると、一日当たり、食物繊維が 従来 15g から 60gに増えた。 (朝食だけで、2g から 16g に増) 私のマイクロバイオータは改善された。付録をご覧下さい。 マイクロバイオータは固定化するものではないので、食生活は継続しなければならない。


母親になる

母親になる
今、自分が健康をよくすることは、これから母親になろうと考えている自分にとって、子供に良いマイクロバイオータを受け継がせようとする気持ちがある。
目標:出産で、帝王切開になる場合には、「赤ん坊に母親の膣の微生物を移す」ことをしたい。 6ヶ月は母乳のみを与え、その後も2才までは母乳をできるかぎり与えたい。
もし、自分か子どもが抗生物質を必要とするときが来たら、その時は抗生物質の無差別攻撃の副作用に備えて、予防的にプロバイオティクスを併用するだろう。





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ここからは付録、後でゆっくりご覧下さい!


エピローグの詳細項目

 - マイクロバイオータの調査


マイクロバイオータの調査

当初のサンプル
ロンドンの専門医で治療を受けていた頃の自分のマイクロバイオータの調査結果、 (1)バクテロィデーテス門とフルミクテス門の細菌が、他の細菌を押さえて圧倒的多数であった。つまり多様性が不足していた。
(2)ステレラ属の細菌が異常に高い割合で見つかった。 病気の期間中に、疲れるとよくチックが出ていた。 一般に、顔や首の筋肉が勝手に引きつるチックは、自閉症患者の患者にもよくある。自閉症患者の腸内にステレラ属の細菌が過剰にある。 ステレラ属の細菌がチックの原因であるかどうかは、まだ研究中であるが。
2度目のサンプル
食生活の改善した後、 (1)粘膜好き微生物「アッカーマンシアムシニフィラ」の繁栄した。 前回のサンプルに比べて、20倍になった。 腸壁を厚くして健康に貢献してくれる。
(2)ビフィドバクテリウム属、フィーカリバクテリウム属の細菌が増大した。 これらは酪酸を作り出す細菌で、免疫系をなだめてくれるだろう。




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