グルテン・フリー・ダイエット |
このダイエットは、小麦、ライ麦、大麦に含まれるグルテンが悪いという考えに立脚している昨今流行のダイエット。
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このダイエットを勧める人は、「グルテンを排除すると、膨満感がなくなり腹の調子が良くなる。
肌がつやつやして気力と集中力がアップする」という。
特に、過敏性腸症候群患者はこのダイエットに夢中になる。
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基礎知識 |
小麦や乳製品には、
(1) グルテン(小麦、ライ麦、大麦に含まれるタンパク質)、
(2) ラクトース(ミルクに含まれる糖)、
(3) カゼイン(ミルクに含まれるタンパク質)、が含まれている。
1万年前の新石器時代の人々は何の問題もなく摂ってきた。
消化できない人が急増したのはごく最近である。
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グルテンに関して |
グルテンは大きな分子で鎖をつくり、真珠のネックレスにも似ている。
小腸内で人の酵素が大まかに鎖を切り離す。
短い鎖となったグルテン分子は大腸にゆく。
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「セリアック病」の患者は、腸壁に隙間ができて問題を起こすという病気で、この患者はグルテンを含む食物を避けることが必須。
詳しくは第4章を参照下さい。
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グルテンに過剰な人「グルテン・アレルギー」は、腸壁の隙間はできてはいないが、腸内細菌のバランスが崩れていて、免疫系がグルテンに過剰に反応するようになった。
近代人は、軽くてふわふわなパンを求めつづけ、小麦のグルテン含有量がかってないほど高まってしまい、それがすでに敏感になった免疫系を刺激しているようだ。
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ラクトースに関して |
人は、ラクトースを専用に分解する酵素「ラクターゼ」をつくる遺伝子を持っている。
歴史的に見ると、
- 新石器時代の前には、幼少期を過ぎるとラクターゼ遺伝子のスイッチがオフになって、ミルクを飲めなくなった、
- 新石器時代になって家畜を飼い始めると、ラクターゼ遺伝子のスイッチをオンのまま持続させる特質「ラクターゼ持続症」に進化していった。
母乳を飲まなくなっても死ぬまで遺伝子がオンで人はミルクを飲める。
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ラクトースに過剰な人「ラクトース・アレルギー」はグルテン・アレルギーの人よりもっと多くいる。乳製品に過敏となる。
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考察 |
現在、スーパーにはグルテンなどを一切含まない食品が多い。
- グルテン・フリー商品
- ラクトース・フリー商品
- カゼイン・フリー商品
本来は、腸内細菌のバランスを取り戻すのが良いと思うが。
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どんなダイエット法が流行しようと「何事も適度に」という古くからの格言以上に正しいものはない。
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