粉ミルクの実情 |
授乳の歴史的な変化
(1)19世紀:上流社会は「入母」
(2)産業改革期:労働者「入母」、上流社会は母乳
(3)20世紀:「入母」からミルクに変わる
- 1913年: 母乳 70%
- 1927年: 母乳 50%
- 1950年戦後:母乳 25%
- 1972年: 母乳 22%
たった1世紀で授乳育児をやめてしまった。
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1970年代半ばから、母乳育児が流行し始める
- 1995年: 母乳 65%
- 近年: 母乳 80%
しかし25%は生後 8ヶ月で粉ミルクに切り替えている。
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そんな一方で、途上国では粉ミルクが流行して、死亡率が25倍にはね上がった。
これは哺乳瓶の消毒不足と、病原体に汚染された水でミルクを溶いたという衛生管理が原因。
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粉ミルクのデメリット |
粉ミルクの赤ちゃんの腸には、母乳の場合に比べて細菌の種類が50%ほど多い。
特に多いのが、ペプトストレプト・コッカセアエ科の細菌で、そこには厄介な病原体である「クロストリジウム・ディフィシャル」も含まれる。
この病原菌が優勢になると、難治性の下痢を引き起こし、最悪は死亡する。
「クロストリジウム・ディフィシャル」の保有率は、
- 母乳のみの赤ちゃん: 1 / 5 人
- 粉ミルクのみの赤ちゃん: 4 / 5 人
この病原菌は分娩室で拾うので、病院での滞在日数が長い程、拾うチャンスが高くなる。
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粉ミルクは感染症にかかりやすい。
- 耳感染症のリスク 2倍
- 呼吸器感染症のリスク 4倍
- 胃腸感染症のリスク 3倍
- 懐死性腸炎のリスク 2.5 倍
- 乳児性突然死のリスク 2倍
- 皮膚炎、嘆息のリスク 2倍
- 小児白血病、1型糖尿病のリスク
帝王切開と並んで、粉ミルクも21世紀病と関連している。
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粉ミルクは過体重のリスクも高まる:2倍
過体重は少児期だけでなく、10代後半、成人にまで継続。
肥満になると、大人のなって2型糖尿病になるのが、60%高まる。
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アメリカ、先進国での1歳未満乳児死亡率は、
- 粉ミルクの乳児: 2.7 人 / 千人
- 母乳の乳児: 2.1 人 / 千人
つまり、粉ミルクでは乳児死亡率が 1.3倍となる。
アメリカでは 400万人/年の乳児で 720人が死亡という計算。
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