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2021年6月6日 

グリム童話「死神の名づけ親」の要約



1ダースもの子どもをもつ貧乏人に、13人目の子どもが生まれ、困ってしまい「名づけ親」を探して飛び出した。
(名づけ親とはゴッドファーザーのことで、子どもを洗礼して成人するまで経済的な面倒をみてくれる人のこと)

貧乏人は神様と出会った。「わしが名づけ親になってあげよう。」男は「あなたは、金持ちには物をおやりになって、貧乏人は腹がへっても知らん顔してなさる」と言って断った。

次に、悪魔と出会った。 「あなたは、人間をだましたり、そそのかしたりしますね」と言って断った。

次に、「わしはみなに平等にする死神さ」、すると男は「あなたは金もちでも貧乏人でも差別なしにさらっていきますね、名づけ親にお願いします」と言うと、死神は「おまえの子どもを金持ちにして、有名な人にしてあげよう」と答えた。

やがて子どもが大きくなってから . . .

お前を医者にしてやるから 良く聞くのだよ。お前が病人のところに呼ばれたら、わしが病人の頭の所に立っている。その時は「この病人は治ります。この薬草をお飲み下さい」と言うのだ。わたしが病人の足元に立っていたら、わしが連れてゆく。「この病人はもう助かりません、手遅れです」と言うのだぞ。くれぐれも、決してわしの指示に背いてはいけないぞ。

こうしてこの医者の診断が100%当たるということですこぶる評判となり、有名な医者となった。
そんな評判が遠い国の王様の耳に入った。

王様は大事な娘の病気を治して欲しいと、医者を王室に呼び、「もし病気を治してくれたら娘をお前と結婚させてやろう」と約束した。 医者がそのお姫様の様子を見ると、何と死神が彼女のベッドの足元に立っていた。 医者は、しばらく考えてから、ベッドを回転させて、死神の頭の方に向きを変えた。 するとお姫様は元気を取り戻して病気から治ったのです。

こんなことが何回か続いて. . .

ついに死神は言った「さあ、着いてこい。今度はお前の番だ!」こうして、医者は地面の下の洞穴に連れていかれた。暗い洞窟の中で何本ものローソクがゆらゆらゆれている。死神は言った「この短いローソクがおまえ寿命を表している。」 今にも消えそうなローソクを見て、医者は「この短いローソクを、長いローソクにとり変えて下さい」とお願いした。

死神は新しいローソクを持って、「ではローソクを点け替えてやろう」と言いながら、わざと短いローソクを倒して火を消してしまった。それで医者の寿命が尽きて死んでしまったのです。

というお話。



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